【エロゲ体験版】紫影のソナーニル体験版感想:Part3/6 | つれづれマカロン

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46歳ひきこもりの
人生楽しみたい日々なのです

 

 
 今回は、ちょっとえっちなシーンの感想も書きます。でも、まったくえっちな文章じゃないので期待しないでね 単に、そういうシーンの感想コメント、というだけです。
 
疲れて眠りにつこうとするリリィを無理にお風呂に入れるA。リリィは抵抗するが、動物を洗うようなでっかいブラシで身体を洗われる。身体が綺麗だ、と言われて真っ赤になるリリィに、Aは「僕は人間じゃないから欲情しない。人間が猫を洗っているようなもの」と言って、リリィを怒らせる。
 
 エロゲで美味しそうな食べものが出てくると、それが食べたくなってしまうのがいつもの癖のわたしですが、何だかこの辺を読んだらお風呂に入りたくなってしまいました。で、普段使っていない、背中を洗う『でっかいブラシ』でごしごし……。すぐ擬似体験したがるのです。今はリリィのことを猫扱いのAですけど、淡々とした優しさに惹かれます。いずれリリィと恋人同士になるのかな。
 
同刻・地上。眼を覚ましたエリシアは、歩行かばんのジョンがいなくなっているのに気づく。探しまわっている内に、クイーンズブリッジ団地の廃墟の一室から金属音を聴く。それはオルゴールの音だった。『カトリーン、君の誕生に喜びを込めて。12月18日』と刻まれている。12月18日とは奇しくも今日の日付。
 
 かつて、地上の、大都会だった頃のニューヨークに住んでいたカトリーンたち。地下世界、とはやっぱり仮想世界? それとも天国か煉獄のようなもの? 地下世界のカトリーンは「リリィには聞こえない」オルゴールを持っているし、地上のエリシアは錆びついたオルゴールを見つけるし。魂と想い出だけが地下世界に移ってしまったように思えます。このオルゴールを贈ったのはカトリーンのパパですね。
 
地下世界の夜。人間の体に、頭部だけ黒いジャガーの姿をした男が笑っていた。「ブエナスタルデス! どうしようもなく莫迦な小娘め! 地下世界が何であるかはおろか、自分が何ものかもわからぬ莫迦な小娘。哀れなリリィ・ザ・ストレンジャー。」
 
 まず、渋い外見の割りに、声が若い…というか、軽いです、ジャガーマンさん。『ブエナスタルデス』ってどういう意味だろう…と思って調べたら、スペイン語で「こんばんは」っていう意味です。でも、ジャガーマンの場合は…アルゼンチンの首都『ブエノスアイレス』が「いい空気」っていう意味だから、『ブエナスタルデス』は「いい夜だ」くらいの意味になるんじゃないかな? こんなかっこいいセリフを言う前に「こんばんは!」って気合が抜けちゃいますから。
 
クイーンズブリッジ団地の空き部屋で、ルチアーノとマオは抱き合っていた。抱き合いながら「あの母娘のことなんか放っておいて」と言うマオに、ルチアーノは「ギャング内で友人だった『イマン』の妻と娘を放っておけない」という。泣きそうになるマオに、ルチアーノも『地下の詩』を語って聴かせる。
 
 えっちシーンなのですが……正直、綺麗でロマンティックで、えろくないです。少女漫画的、という批評は当たっています。というか、しながら色々重要なことを喋っているので、えっちに集中できる気分じゃないです。『イマン』とは、地上の主人公・エリシアの恋人だったアランが死ぬ間際に、側にいた友人のひとりですね。エジソン卿のもとで働いていたらしいです。インテリギャングとして。ルチアーノの『地下の詩』は、ある夜、クイーンズブリッジ団地に何らかの災害が起こったことを暗示しています。
 
翌朝。リリィの乗っている地下鉄はやはり動かない。リリィの意志で動くこの車輌が走らない、ということは、クイーンズブリッジ団地にリリィが心残りがあることを示している。彼女の瞼に浮かぶのは、カトリーンの眩しい笑顔──。マンハッタンへ、紫影の塔へ行かなくてはならないのに。
 
 記憶を持たないリリィが唯一持っている意志が、かつてのマンハッタンへ、紫影の塔へ行くことです。でも、カトリーンを放っておけなくなってしまった。リリィはおせっかいで、優しくて、いい子なんだと思います。それが、この体験版の内容・第3章で大事な役割を成す原動力になるんです。
 
カトリーンの家に向かうと、様子がおかしい。カトリーンは「お母さんが少し変だけど、気にしないで話を合わせて」と必死に笑顔を作って頼んでくる。そしてユリアナは…「お客様なんていつ以来でしょう。初めまして」と昨日とまったく同じ挨拶をする。日付は変わっているのに、人の心が巻き戻る。身体の一部を鉄に変えながら。
 
 カトリーンは、毎晩その日の記憶を失くしてしまい、毎朝少しずつ鉄に変わっていく母親と一緒に暮らしていたのです。これは…凄絶です。カトリーンのような幼い子が、どうやってその苦しみに耐えてきたのか。最初に地下鉄を止めようとして転んだ時「大丈夫、世の中ほんとにしあわせばっかり!」と言ったそのセリフが、どんな心境から出たものか、考えただけで胸が痛みます。
 
 

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