![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
『エロゲー批評空間』さんでの感想はおおむね
「少女漫画っぽい」というところに落ち着くと思います。それで興味を持って体験版をプレイしてみたのですが、あまりにも綺麗に体験版がまとまっていた上に、想像以上に長く遊べたので、いまのところ
おなかいっぱいで、「買う……」というところまで食指が動かないのです。これでは体験版が逆効果にっ?
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
でも、
絵柄は可愛らしくて上品だし、
演出は丁寧だし、
音楽は素晴らしいし、体験版だけでこのボリュームだし、買って損をすることはないソフトだと思いました。とにかく品の良いゲーム。可愛いゲームとか、華やかなゲームは数あるけれど、
上品なゲーム……エロゲって、なかなか貴重なのです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
体験版の内容は、
本編から第3章+αだけを切り取ってプレイできるようになっています。第3章までに出てきた人物のこともちらほら話題にはのぼりますが、話が分からなくなるほどではないのです。むしろ、SFに元ネタをとった用語とか、クトゥルー神話に元ネタをとった用語が説明抜きで使われていて(解説コーナーはあるけれど、元ネタ解説ではない)真に楽しむには
ある程度のアメリカSF・ファンタジーの教養が要るかも知れない、とおもいました。もちろんわたしも詳しくないので、元ネタわからないところ、いっぱいありました。
1902年、12月25日。0時57分。アラン・エイクリィという青年が、テープに音声記録を残している。ニューヨークは地獄と化した。実験は失敗した、自分たちは皆、エジソン卿に利用されていたのだ、と。ともに研究していたアーネストもイマンももう死んでしまった、恋人のエリシアがここにいないことだけが救い……そう言い残して、彼もまた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
なんとなくプレイしながら
「アーネスト」と
「イマン」という名前を書き留めておいたのですが、なんと両方とも話に深く関わってくる名前みたいです。「アーネスト」は第2章のメインゲスト……? 「イマン」は今回プレイできた第3章のキーとなる人物でした。というか、アメリカ人でアーネストで有名人といえば
ヘミングウェイで間違いないですよね? イマンには元ネタがあるのか分かりませんでしたけれど……。エジソン卿は…ラスボスでしょうか。
エリシアは雨の廃墟・ニューヨークを、マンハッタンを目指して歩いている。5年前の12月、300万人の人がここから消えた。エリシアには他足式歩行カバン・ジョンがついてきてくれる。イェール大学でエリシアが研究を実らせたもの。カダスの人工筋肉理論を元に組み上げた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
ジョン、妙に可愛いです。前世紀風の箱型かばんに4本脚がついている、仔犬みたい。エリシアいわく関節が軋んでいるだけ、なのですがキイキイ鳴いたりもして。何の説明もなく
「カダス」という地名が出てきていますが、
クトゥルー用語ですよね。未知なる荒野のカダス。いえ、わたしも良くは知らないです。ラブクラフト全集は積ん読しています……。そもそも
「ソナーニル」がクトゥルー地名だから、このゲームを買う人はそれくらいの知識はあるのかな……。
もうひとつの世界。少女の旅人、リリィ・ザ・ストレンジャーは、一輌だけの地下鉄に乗って、車掌のAと旅をしている。マンハッタンに向かって。動力もなく自動的に動く地下鉄だが、ある朝急停車してしまう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
もうひとりの……そして、どちらかと言うとこちらが本編かな。ヒロインのリリィの登場です。ロリータな感じの女の子に、声の
かわしまりのさんは合うのかな?と思っていましたが、意外とぴったりでした。媚びない感じで、
思慮深そうな少女の声です。まるで洋画の吹き替えみたいです。車掌さんのAは、いつもリリィを見つめているストーカー気質。(ほんとうは役目上そうしているんだけど)ハンサムで無表情で、どこまでもリリィを守ってくれる、ある意味理想の男の人です。
列車を止めたのはひとりの小さな女の子だった。オルゴールを抱えて、転んでしまっても必死で笑顔を作っている。その笑顔に、リリィは眩しさを感じる。女の子はカトリーンと名乗り、この車輌に中年男性は乗っていないか尋ねる。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
ゲストヒロインらしいカトリーン。目のでっかい、可愛い女の子。絵本的な絵柄だからありえる、目が大きいのに上品な顔立ちです。でも、転んで痛そうなのに
「世の中ほんとにしあわせばっかり!」と自分に言い聞かせているところに、痛々しさを感じます。
カトリーンに連れられて、ニューヨーク地下世界のクイーンズブリッジ団地に連れてこられるリリィとA。鮮やかな茸が生えている。団地なのに人気は無く静かで、モールたちだけがうろうろしている。5年前の事故の日、人々は地上のニューヨークからこの地下世界へ移ってきた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
事故の日に移ってきた、といっても、それは避難とかではなく……
ここは半分架空世界のようなものなのでしょうか? 地下世界では人々は身体が次第に鉄に変わって、最後には「モール(もぐら?)」と呼ばれる変異体になってしまうのです。ところで、鮮やかなキノコをリリィは「きれい」だと思っていますが、わたしは怖い! キノコ、食べるのは好きだけど
鮮やかな色のキノコは苦手です。怖いよう!
カトリーンは、母のユリアナをふたりに紹介してくれる。美しく、優しい人。たとえその顔が、精巧に出来た造り物を鉄の上に貼り付けただけのものだとしても。
カトリーンの案内でクイーンズブリッジ団地を歩いていると、ルチアーノとマオのふたり組に出会う。ルチアーノは片腕が鉄に変わっている帽子男。マオは猫みたいな女の子。ブルックリンでもブロンクスでも会ったふたり。地下鉄にいつの間にか追いついている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20110901/02/ukku1102/32/fb/g/t00320032_0032003211455017802.gif?caw=800)
このふたり……ルチアーノとマオが、なぜ移動手段もなくリリィたちに追いつけるのかの説明は、体験版のなかにはたぶん無かった……と思います。
マオは猫耳少女ですが、本体もかなり猫化しているというか……
ミュージカルの『キャッツ』に近い感じ。このくだりでカトリーンが「クイーンズブリッジ団地はなぜそのような名前なのか?」とリリィにクイズを出します。「正解は地下鉄の駅名! クイーンズ地区の橋の下だから。」……そういう
豆知識大好き![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/186.gif)