今月初めですが…「まさに世界の終わり」観納めしてきました(ノ*´>ω<)ノ!!


9/23昼、10/17夜、11/1昼、5夜、そして6昼の計5回。9月のまだ暑い時期に兵庫で観はじめて…気付けばもう11月。役者さんもスタッフの皆様も、本当にお疲れさまでした💦

概ねの感想はこちらに。


傷つくほどに、愛してる人たち。

ルイもアントワーヌも、シュザンヌも。お互いに「愛されてない」と思って傷つきあってるのが切ないです。

傷つけてる、つもりは相手にはないんですよね。家族だからこそ出てしまう、相手の無遠慮(ある意味で乱暴)な言葉や…「愛されてない」「興味を持たれていない」と思うからこそ言ってしまう言葉に、自分はそうではないから傷つく。

ルイが列車に乗ってきた話をするところで「よくある旅」って言ってしまったり←アントワーヌたちは多分、そんなに旅をしないと思うのです

ルイが仮に「何事もなく、平穏だった」という意味合いで言っていたとしても、色々拗らせてるアントワーヌには「俺には話す価値がないのか」って取れちゃうだろうな、みたいな。


逆にルイが母親に言われる「何歳になった?」とか…何でもない相手だったら平気な一言にも反応して、気になって傷ついてしまう。

ワタシだって、もし言われたら「母親なんだから覚えててよ!」と思います。思って、そのまま母親にそう言う…けど、ルイは言えないんですよね。アントワーヌが言うように微笑んで、笑うだけ。


他の家族とはタイプが違うかもしれないし、文学の才能もあって…そういう部分でルイは「特別」なのかもしれないけど。普通に傷つく、自分たちと同じ人だよ?と思います。


アントワーヌは「ルイが家族から『愛されていない』と思ってる」ことを解った上で、どうすれば自分たちが「愛してる」ことが伝わるか(信じてもらえるか)を考えてきた。ルイがそう感じた原因にも悩んで。

その考えすぎた結果と…周りのせいもあって、だいぶ行動を拗らせてるのが好きでしたf^_^;


カトリーヌが2人の子供の事を話してる時も、実際、彼女は畳み掛けるような息つく間もないマシンガントークだったので…アントワーヌがそういうのもちょっとわかるんですよね。←ここ可哀想

ルイの否定の仕方も、言い方がねぇf^_^;

そのあとルイが聞きたい、って返した後の台詞も「そんなわけない」っていう否定と期待、かすかな嬉しさなんかが入り混じって、あんな言い方になっちゃうんだろうなあ…とか。

「ルイには子供がいないから」の件も、ルイの体のことを知らないから言えたことですし。知ってたら、言わなかったでしょう。ルイだって、元気だったら意識しないと思う(ワタシも結婚とか興味なさそうに見えてた)。


ルイが「僕を嫌いにさせようと〜」みたいにカトリーヌに話した時に、カトリーヌは「そんなことない」って否定したけど。

ルイを前にしなければ、アントワーヌは気持ちを素直に表現できてるんじゃないかなって。←あまのじゃく感



何気ない言葉に傷つくのって、相手に期待や好意があったからなんですよね。好きでもない他人なら、何とも思わなかったり…距離を置いて離れられるけど、家族はそうはいかないから。

乱暴で不器用な、観るほどに愛しくなる人達でした。



「傷つけよう」として、言葉を使ったルイ

基本的に、この作品に出てくる無遠慮で乱暴な言葉は「相手を傷つけよう」と思って口にしたものではないと思います。たとえシュザンヌが泣いても。

シュザンヌがアントワーヌに強く当たるのは、アントワーヌを傷つけるというより…記憶にないぶん「憧れ」が大きくなっていたルイのためですし。


でも、唯一、ルイが帰る間際にシュザンヌに告げた一連の「仕事をやめて、シュザンヌと結婚して、ここで暮らす」という内容の言葉。乱暴な言葉ではなく、相手を思いやっているように見えるこの言葉だけは「これは違う」って思いました。

自分がそう言えばアントワーヌがどう答えるか、シュザンヌたちがどう反応するかわかっていて…敢えて口にした言葉。

ルイの台詞に「相手を傷つける言葉」は1つもないからこそ、家族宛のハガキには使わなかった(と、シュザンヌが言っていた)言葉の力を、ここで使うの?と。←ルイだけ確信犯

アントワーヌの無意識の行動にイラついて…傷ついたにしても、ルイに比べたら語彙力で負けるアントワーヌがかわいそうで(゚´ω`゚)


結果、小細工のない…アントワーヌの飾らない言葉の方が、ワタシの心には響いたんですけども。

でも、もし自分がルイだったら、やっぱり傷つくと思うから切ないのです。


こんな映画もあるので、ぜひ。

「まさに世界の終わり」を観ていて、不意に思い出した作品がこちら↓
エリック=エマニュエル・シュミット監督の「100歳の少年と12通の手紙」です。

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白血病で入院中で、周りの大人たちの自分への扱いに不信感を抱いていた10歳の少年オスカー。彼が出会ったのは、口は悪いけどストレートに話してくれる宅配ピザ屋の女主人ローズでした。

ある日、彼の余命が「残りわずか」と知らされた両親が(つらすぎて)彼に会うことを拒む姿を覗き見てしまい、心を閉ざすオスカー。その彼がただ1人「話してもいい」と選んだ相手がローズでした。

話し相手になるよう頼まれ、しぶしぶ応じたローズ。でも、オスカーのことを知っていくなかで、彼女は「大晦日までの12日間、1日を10年と考えて過ごし、毎日神様に手紙を書く」ことをオスカーに勧める…

という話。
浦井くんが2005年に「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」を朗読をしています。シュミット監督は、その映画&原作者でもあったりしますf^_^;
さらにいうと「イブラヒム〜」は「アラビアのロレンス」のオマー・シャリフが出演されてて…と話せば長いのですが、好きな作品💦
その監督さんの新作だったので、観に行ったら号泣しました←

1日1日。そしてオスカーがどんなことを思ったかは、観て頂ければ嬉しいです(゚´ω`゚)