2024年、観劇初め。

スケジューリング当初は、1/5昼11:00の宝塚星組『RRR』と同日ソワレの『LUPIN』をハシゴするつもりだったのだけど
宝塚は10月の一件以来どうにも気分が乗らず、11月の友会先行に申し込むのを止めたのでした。
(結局、宝塚のリスケで1/5昼11:00公演は中止されたので、もしチケットGETしてても行けなかったワケですが)

そんなこんなで、観劇初めは↓こちらで。



ミュージカル・ピカレスク
『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密』@梅芸
(2024.1.5(金)17:00〜)A席2階5列上手(梅芸2次)

何かと慌ただしい年末年始に大阪行くかどうか迷って梅芸1次抽選はスルーしたが、結局、2次抽選に申し込み。
座席位置は2階5列目(前通路)上手のかなり端寄り。1次抽選ならたいていセンターブロックなので、やはり2次は条件悪くなるのね。

チケット料金は、A席で10,000円也。東京公演では更に土日祝&千穐楽(昼・夜)は1,000円upだったそうで。
コロナ禍、物価高、、、いろいろ事情はあるだろうが、上げることばかりでなく座席位置ごとの料金設定も考えてもらいたいなぁ
(前方センターはSS設定で20,000円にするとか←未だ高額転売が横行していることを考えたら安いものだと思うの)(で、端席や注釈付きは少し値段下げろと言いたい)

【上演時間】3時間10分(85/休30/75)
【料金】S席 16,000/A席 10,000/B席 5,500

【スタッフ】
脚本・歌詞・演出:小池修一郎
音楽:ドーヴ・アチア
共同作曲:ロッド・ジャノワ

【キャスト】
アルセーヌ・ルパン(怪盗):古川雄大
クラリス・デティーグ(貴族の娘):真彩希帆

ボーマニャン(財宝を狙う):黒羽麻璃央(東京のみ)、立石俊樹
イジドール・ボートルレ(高校生の名探偵):加藤清史郎
ガニマール警部(LUPINを追う警部):勝矢
シャーロック・ホームズ(イギリスの名探偵):小西遼生

カリオストロ伯爵夫人(財宝を狙う美女):★柚希礼音/真風涼帆
ゴドフロワ・デティーグ(クラリスの父):宮川 浩
レオナール(カリオストロ伯爵夫人の部下):章平

朝隈濯朗、荒田至法、井口大地、奥山 寛、島田隆誠、
鈴木大菜、仙名立宗、中桐聖弥、畑中竜也、廣瀬孝輔、
牧田リュウ平、丸山泰右、港 幸樹、渡辺崇人
彩花まり、飯塚萌木、石田彩夏、伊宮理恵、鈴木サアヤ、
平井琴望、真記子、政本季美、松田未莉亜、美麗、
安岡千夏、山下麗奈(男女五十音順)




【ストーリー】
テンプル騎士団のカテドラルの廃墟の前で、カテドラルを再建して施療院を作る計画が発表された。その会見には、テンプル騎士団研究会会長ボーマニャンをはじめ、女性活動家、新聞記者など多くの人々が集まっている。
施療院の院長職に就くデティーグ男爵令嬢クラリスは、その強い思いと共にテンプル騎士団に伝わるメノラー(燭台)“生命の樹”の伝説を語る。
「失われた7 本の枝がメノラーに戻った時、すべての願いが叶う」、それはテンプル騎士団が隠した財宝の在処が知らされるというものだった。

そこへ考古学者マシバン博士が現れ、カテドラルで発見された金属の棒は鑑定の結果メノラーの枝の 1 本であったと告げる。
それを聞いたボーマニャンは、博士から枝を取り上げて満足気に立ち去った。
彼を見送った博士は笑みを浮かべ、「本物の枝は自分が持っている」と独白する。変装をといた彼こそ怪盗アルセーヌ・ルパンだった。

ところ変わって、デティーグ男爵邸の夜会。最先端の電気による照明で昼間のように明るく、大勢の客で賑わっている
だが実はデティーグ男爵はこの電気事業の為に多額の借金を抱えており、ボーマニャンから返済を猶予する代わりに娘のクラリスと婚約させるよう迫られていた。しかしクラリスは愛のない婚約を頑として受け入れない。
夜会では、実業家ヴァルメラと色男のジェブール伯爵が女性の人気を二分していた。婚約を拒否したクラリスは、ルパンを名乗るジェブール伯爵に攫われて姿を消す。本物のルパンは会場に残っているヴァルメラなのだが。

ルパンを騙りクラリスを連れ去ったジェブール伯爵は、実は謎多き人物カリオストロ伯爵夫人だった。
カリオストロ伯爵夫人を追うルパン。そこに、イギリスの名探偵シャーロック・ホームズ、高校生探偵イジドール、ルパンを追うガニマール警部が入り乱れ、前代未聞の冒険活劇が幕を開ける。


アルセーヌ・ルパンシリーズの小説(モーリス・ルブラン著)は小学生の頃に図書室で借りて読んだ記憶。
内容は覚えてないけど、劇中に出てきた「奇巌城」って単語をはっきり覚えているので、読んだことあるのだろうなワタシ。

つっても『LUPIN』は小池センセイのオリジナルということなので、原作シリーズを何作か合わせてアレンジしてる感じ?
開幕当初はトンチキ作品との評価も見受けられたけど、私は面白かったし、あれこれ考えずに潔く「娯楽」に徹して楽しめる作品だったと思う。

てゆーか、

もう「いろんな古川雄大」を見せたいだけでしょコレw
主役がスポットライト浴びた瞬間に拍手するなんて、宝塚以外の舞台では初めて経験したかも。
もはや「古川雄大、トップスターお披露目公演」だよね?

ツッコミどころ満載なところも含めて単純に面白かったし、顔面偏差値が高くてウキウキしちゃうし
そもそも出演者みんな好きだし、なんならもう1回観たかった!
以下、ゆる〜〜〜く【ネタバレあり】です。


古川雄大くん、ウマイ〜〜!
マシバン博士の声色とか動作とか完璧なおじいちゃん過ぎて、雄大くんだとわかってても「ホントに雄大くん?」てなった。
んでもって、華麗なる怪盗紳士っぷりでおヒゲも片メガネもシルクハットもマントも似合うし。マントさばきが華やかで、宝塚の男役さんみたい!
そしてシャツをはだけた拷問シーンはファンサービスとしか思えない。(なんで章平さんも脱いでんのwww)
雄大くんの、と言うか、小池センセイの“お楽しみ”がギュギュッと詰まったアルセーヌ・ルパン。見どころしか無かったわw

それにしても雄大くん。どんなキャラクターでもこなせるの、最強。←可愛過ぎるアネット嬢 含むw
ご本人の努力ももちろんだけど、天性の素質が備わっているのだと思う。稀有な存在。
くぐもった声質だけはどうしようもないが、歌もホント上手くなった。


カリオストロ伯爵夫人は、ちえちゃん(柚希礼音)。小池センセイと組むのはもしかして宝塚以来?
久しぶりの男役姿、伯爵夫人のドレス姿。雄大くんとのタンゴはカッコ良過ぎた。
なんかゴージャスだよねぇ、ちえちゃんって。そして屈強な部下レオナール(章平)を従えている姿も、サマになるんだコレが。
代々続く泥棒貴族、、、と思いきや、最後に正体が明かされるのだけど、泥棒貴族のままのほうがロマンチックだし、章平レオナールとのバランスも良いのに〜と思ったり。
Wキャストのマカゼ(真風涼帆)は宝塚退団後、初舞台だっけ?ドレス姿、観たかった。
そう言えば、代々カリオストロ夫人の肖像画はちえちゃんとマカゼで違うのでしょうね。ちえちゃんの肖像画、よく似てたし。


きいちゃん(真彩希帆)演じるクラリスはポジション的にはベタなヒロインで、下手な子だとホントつまんない役になりそうだけど
そこはやはりきいちゃんなので、可愛らしさ有りつつもシャキッとしたメリハリあるヒロイン像に。
きいちゃんのこの“シャキッと感”、男役に通じるものがあるなぁといつも思う。元々は男役志望だったからか?ホント好き。
そして歌〜〜〜!マジ耳福!!その歌唱力で作品自体を格上げしていたと思う。

ボーマニャンとの婚約を迫られた夜会の場面、
白いドレス姿のクラリスの沈んだ表情、階段を上がるとそこには白いカーテンがかかった大きな窓…
私の脳内がバグり「私だけに」のイントロが聞こえた気がした。
次回『エリザベート』、きいちゃんシシィくるね(知らんけど)(希望的観測)


雄大くんときいちゃんの並び、楽しみにしていたのだけど、意外とハマッてるというほどでは無かったの、、、
もしや雄大くん、年上の女性のほうが合うのではないですか。


クラリスに嫌われまくりのボーマニャン、立石俊樹くん。歌舞伎でいうところの“色悪”、ハマッていた。
この子も素晴らしくお顔が綺麗で、演技も良くて(キャラ幅広いよね)、好き。歌もビブラートが自然で聴きやすい。
雄大くんとの並びでは「セバスチャン・ミカエリスが並んでるうううううう💕」てなりました。(@『黒執事』
東京のみWキャストの黒羽麻璃央くんも好きなんよね。


そして私のミュージカルイケメン認知史上3本の指に入るであろう、小西遼生くん。相変わらず整ったお顔立ちに、少し渋みが加わってきたような。
シャーロック・ホームズのお衣裳がとても似合う。マントさばきが絶妙で、ルパンみたいに華やかに翻すのではなく、裾をさりげなくふわっとさせてて、、、なんかめっちゃホームズっぽい!(語彙力)。
でもせっかくルパンの“永遠のライバル”なのに、ポジション的にも見せ場的にもちょっと物足りなかったなー。メインはタイトルロールのカリオストロ伯爵夫人だから仕方ないか。
高校生探偵イジドールと気が合ってる感じ、可愛かった。


その高校生探偵イジドールは、加藤清史郎くん。
たしか演劇留学してたんだっけ?歌もダンスも上手いし、演技は言わずもがな。
こども店長〜ガブローシュあたりの記憶が未だ鮮明なので、観る度にこの成長っぷりにビックリしてしまう(いいかげん慣れろ私)。


そしてやたら目を奪われてしまった、カリオストロ伯爵夫人の部下レオナール、章平さん。
ビジュアルと言うかスタイルと言うか、人としての造形が美しいと言うか。(ワタシ的にはSpiくんと同じカテゴリー)
私もこんなボディガード連れて歩きたいし、しかも何でも言うこと聞いてくれて、羨まし過ぎる。
男前な伯爵夫人ちえちゃんとの並びも良くて、「伯爵夫人のこと好きなのかな」「この二人が結ばれるといいな」と、ずぅ〜〜っと思っていた。
財宝を発見して運び出す時、もしや伯爵夫人を裏切って逃走するのか?と心配したけど、純愛貫いてくれて小池センセイグッジョブ!
で、雄大ルパンを拷問する場面で上半身脱いでたのは絶対サービス(?)よね?笑

ちょっと余談だけど、
私が章平くんを初めて観たのは↓こちら↓
◆2016年12月、『Take me out』(藤田俊太郎演出)

この時も劇中やたら脱いでいた覚えがある。(てか既にポスターで一人だけ脱いでるし)
ちなみにSpiくんも出演していて、“Spiくんに思いを寄せる章平くん”という構図。


話戻って『LUPIN』、、、
登場人物みんなビジュアル整ってて、キャラクターが立ってて、歌、ダンスが多くて、楽しかった。
楽曲は、ドーヴ・アチア氏にしてはあまり印象に残っていないけど、ノリは良かった気がする。

そして全体的に、ホント宝塚っぽくて、、、と言うか、宝塚の作品に美形なリアル男子を当てはめていったのでは?と思ったほど。
ふと、戦後に数年間だけ実在した宝塚歌劇団男子部(『宝塚BOYS』)を思い出し、今なら彼らのやりたいことをやれるのに…と切なくなったり。

ストーリーも難しい推理はなくて、予想できる予定調和がそのまま実現され、ハラハラもドキドキもしない。
これをトンチキと言うならトンチキなのかもしれないけど、そのトンチキを楽しむことができるミュージカルだと思う。

欲を言えば、ちょっと間延び感あるのでもう少しブラッシュアップしても良いと思うが(個人的には休憩含む3時間以内に収めてほしい)
わかりやすく面白くて、観終わった時にはなんだかスッキリした気分になっていて
とても良き観劇初めだったのでした!



最後にメモ。。。
テンプル騎士団とは、、、中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会。エルサレムに巡礼するキリスト教徒を守る為に結成された。ワタシ的には青池保子さんの漫画を思い出す(タイトル忘れた💧)
メノラー「生命の樹」の七つの枝とは、、、
劇中の歌詞とは違うかもしれませんが
(1)ケテル(王冠)、(2)コクマー(知恵)、(3)ビナー(理解)、(4)ケセド(慈悲)、(5)ゲブラー(峻厳)、(6)ネツァク(勝利)、(7)ホド(栄光)
幹の部分に、ティファレト(美)、イェソド(基礎)、マルクト(王国)がある。らしい。


全国ツアーの日程は↓下記のとおり。
大阪、福岡の後は、古川雄大くん出身地である長野に凱旋。しかも大千穐楽。嬉しいだろうなー

【公演スケジュール】
[終了]東京:帝国劇場、11/9〜28
[終了]愛知:御園座、12/7~20
大阪:梅芸メインホール、12/29~2024/1/10
福岡:博多座、1/22~28
長野:ホクト文化ホール、2/8~11



年末に配信視聴した新作歌舞伎『流白浪燦星』も記録しておきたいと思いつつ…
下書きすら出来てない💧