その友人は数ヶ月前に出産し、ママになっていた。
B さんは友人のママぶりを観察しに行った訳なのだが、、
帰ってきてからこんな風に語っていた。

私びっくりしたんです。
だってね、友人たら、赤ちゃんの顔をこんな風に近づけて、、
「まみちゃん、可愛い、可愛いっ!まみちゃん、可愛い!」って。
その可愛がりようったらないんです。
こーんなに顔を近づけてですよ。
B さんは、そんなの初めて見たと言う風だった。
そしてこう言った。
私ね、驚いたんです。
子供って、こんな風に可愛がって良いんだってね。
そう、こんなにメチャメチャ可愛がられて良いんだって思いましたよ。
その姿を見ていたら、妙な気持ちになって。
赤ちゃんにヤキモチのような気持ちを抱きました。
だって、私はそんな風に可愛がってもらったことがないんですから。
B さんは長年、暴君のようなお母さんに絶対服従を強いられて生きて来た。
その関係は友人親子のような、甘く温かいものとは対極にあった。
B さんは、もし自分が子供を産んだら、ちゃんと育てられないかもしれないと、大いなる危機感を抱き、カウンセリング治療を始めた。
お宅にお邪魔したところ、旦那さんと B さんそれぞれのぬいぐるみが、仲良く椅子に座って寄り添っていた。
朝はそのぬいぐるみを抱き上げて、幼稚園の頃に歌った「おはよう」の歌を歌って1日を始めるのだそうだ。
朝は、家庭から社会へ向かって一歩を踏み出す。
このスタートのタイミングはとても大切だ。
安心と勇気がこの一歩を踏み出す源泉となる。
B さんは、長いこと安心も勇気もないままに、外に放り出されるような朝を過ごしてきた。
だから、今、自分を投影したぬいぐるみと一緒に、朝の安心と勇気を育んでいるのである。