英国の国民負担率は50%弱で、フランスのそれは70%割弱です。
我が国は英仏からみれば、遥かに低い40%台中盤です。
本邦の政策は、投票率の高い世代である中高年以降への社会保障に重点がおかれております。
その結果、少子化対策が遅れて人口減少に拍車がかかっております。
このため、今後は若年から老年までの広く厚い対応が避けられません。
それは、国民負担率の更なる上昇を意味します。
社会保障分野への公費の投入については、子育てや、老人介護等々、自身や身内がその当事者にならない限り、残念なことになかなか理解されないものです。
我が国は、いずれ国民負担率が50%越えを余儀なくされるでしょう。
その時、所得税等の直接税の増加だけで対応することは極めて困難です。
消費税等の間接税にも頼ることが不可欠です。
我が国は、かつて物品税がありましたが、これを復活し消費税と併用すべきです。
その際、消費税の分野別の大規模な軽減が必要です。
なお、消費税全廃で景気対策との声が少なくありませんが、これは『総花的対応』であり長期的視点に欠けた最悪の選択です。
景気浮揚は、的を絞った各種の優遇措置を伴う大規模投資が本道です。
これは、『もう一つの間接税』であるインフレ税の併用でもあります。
なお、国民負担率は一つの指標でしかなく、それより重要なのは、『実質的可処分所得』です。
要するに、国民負担率が低くても社会保障が未熟であれば、国民が各自で対応せねばならず、実質的な可処分所得は減ります。これでは意味がありません。