最近知り合いのチャイニーズが「日本はいい国だけどストレスもすごい、だからイタリアに戻るつもりだ」と話してくれました。このチャイニーズはもう5年近く東京で生活をしています。だからこの場合の日本とは半分は東京のことを意味していると思われます。彼に言わせると香港も同じくらいストレスが溜まるらしいです。

ストレスの原因は、仕事のキツさ、住居の狭さ、日本人特有の横並び主義(彼に言わせると日本は母国以上に共産主義とのこと)等々ですが、一番は日本の勤勉さのようです。

彼の故郷は厦門で、中国南方の海に面した穏やかな気候の街です。私も行ったことありますが、北京や上海と違って開放感があり、街の人々もゆったりしてます。男の人も女の人もあくせく働きません。それで生活が成り立つのか?というと成り立ちません(笑)。そこで、故郷を出て出稼に行くわけです。世の華僑の大半は福建省出身らしいですから、海外に地盤を築いている親類縁者や友人知人は無数にいます。その人を頼って外国に行くのです。

出稼から帰還した親や親の世代の話を聞けば、日本は夢のような大金を稼ぐにもってこいの場所で、それが嘘でないのは話をする人たちの立派な”お屋敷”を見れば一目瞭然。そこで出稼に行く国を日本にする人が多いようです。しかし、中国の経済発展により貨幣価値が変わり、日本円を稼いでも以前のような旨味はありません。まして日本の経済状況はよくありませんから、思ったような仕事にもつけません。あるのは3Kの仕事ばかり。それでもお金を稼ぎに来たわけですから、皆が勤勉な環境である日本はいいようですが、そこは元来の素性が許してくれません。激しいストレスという形で跳ね返ってきます。

そのチャイニーズは日本に来る前に香港に1年、イタリアに2年ほどいたとのこと。香港は ''マネー” ”マネー” ”マネー” 寝ても覚めても金のことばかりで、辟易したそうです。イタリアの方は生活ペースがゆったりしていてとても肌に合ったらしいのですが、いかんせん稼げない。そこで稼げそうな日本に居を移したわけです。ところが日本も同じように稼げない。結局、同じ稼げないなら生活ペースが合うイタリアの方がいいという結論に至ったようです。

私は、「君の目的は何?お金を稼ぎに故郷を出たんじゃないの?そんなことでいいの?」と彼を問い詰めたら、「ほらほら、その真面目さが窮屈なんだよ、日本の人って皆真っ直ぐ過ぎるんだ、ゆるいことが許せないんだよね」って言われてしまいました。

職人気質の国=日本。日本には茶道、華道、柔道…と ”◯◯道” がたくさん存在します。楽しいベースボールだって歯を食いしばって頑張らなくちゃいけない ”野球道” になりました。合理的なビジネスにも精神性を取り入れて ”商人道” にしちゃう。なんでもかんでも ”◯◯道” にしてしまう癖があります。

私も日本人だから、その ”癖” はあるし、その ”癖”を厳しい精進の中に真理を見いだす素晴らしい精神だと思っています。でも、世の中には ”◯◯道” にできない、しない、いや、しちゃいけないものもあるのかもしれませんね。

ウクレレ?

そうウクレレは ”ウクレレ道” にしちゃいけないものの一つかもしれませんね。

「今日はウクレレのお稽古がある日」なんて子供たちの口から言わせないようにしたいものです。

先述のチャイニーズにウクレレでもプレゼントしてあげよう。東京に居たってウクレレがあれば ”ゆるく” なれるからね。