ラッシュアワーの電車の中で | 感動する話などなど・・・

感動する話などなど・・・

感動する話や名言を投稿します。
こころの肥しにしてください。

58歳でもできるアフィリエイト講座
http://urx.nu/5PtD
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



数年前のある日の夕方、

新潟発、5時00分の電車に乗った。...


相当混んでいた。

三歳位の可愛い女の子を

連れた母親が乗って来た。

女の子が「ママ、座りたい」と言い出す。

若い母親は、誰か席を譲ってくれないか、

という様子で辺りを見回すが反応がない。

やがて女の子はべそをかき始め、

母親は困っている。

すると、これを見かねたのか、

すぐ傍の通路側に座っていた男性が、

さあ、どうぞと子供を座らせてくれた。

吊革につかまりながら見ていた私もホッとした。

 しばらくして、今度は窓のところに

座りたいと言いだしたが、

母親が黙っているので、駄々をこねはじめた。

すると窓側に座っていた60歳位の男の方が、

さあどうぞと立ち上がった。

今まで、向かい側の席で本を読んでいた

同じ年齢位の、キチッとした紳士がやおら顔を上げ、

「いけません、やめなさい」

 と、威厳のある声で、

立ち上がった男の方を座らせた。

ざわめいていた周囲が、何事かと静かになり、

皆さんの視線が紳士に集まった。

続いて紳士が、

「わがままをさせてはいけません」と言い、

「あなた方は何処まで行くのですか、

お子さんは何歳ですか」と尋ねた。

「はい、新津です。子供は三歳半です」

「新津までなら二十分余りすね。

すぐです。お子さんはむしろ立たせておきなさい。

ここに乗っている皆さんは、

それぞれ今日一日のお仕事を終えて

疲れて帰るところです。

にもかかわらず席を譲って下さった。

感謝しなければいけませんね。

あなたはお子さんが、

我がまま言っても叱らなかった。

昔から三つ子の魂百までと言って、

三,四歳の時のしつけが大切だということです。

駄々をこねれば何でも通ると思う心で

やがて成長して社会に出た時、

どういうことになるか。

私もあなたも、新聞、テレビで見聞しているように

困ったことになる。

だから幼児でも叱る時にはキチンとしかり、

教えることは教えてあげなければならない。

そこのところが可愛い子供のために

親がしなければならない責任と愛情です」


とあたかも自分の娘を諭すように言われ、

今度は周囲を見回して、

「大人社会が悪い。

子供だからと甘やかしておいて、

『今時の若い者は』と怒り、嘆いている。

これは自分たちが、

社会がそうさせたのに気付かないでいる。

そうでしょう」

 と言われたのである。

 私は心の中で「ハイッ」と答えた。

始めのうち、たかが幼児のことで

そこまで肩肘張らなくとも・・・と思いながら

聞いていた私自身、

そして回りの皆さんもそうであったと思われるが、

ともすると小さかった時の自分の子供、

可愛い一念で甘やかしてきた孫達、

そして世間の煩わしいこと、

面倒なことにかかわりたくない、

見て見ぬ振りをしている自分と

社会全般の昨今の世相の中、

生活の中で、教えとしつけの大切さを、

大勢の人の前で淡々と語り諭すその勇気に、

私自身もこの年になって

初めて気付き恥ずかしくなった。


 やがて新津駅が近くなって、

その母親は紳士に対して深く頭を垂れ、

礼を述べ、周囲に恥ずかしそうに、

しかし明るく会釈し、

子供に「ありがとう」と言わせて席を後にした。

ほんのわずかな時間であったが

心を洗われた貴重な時間であった。


とかく他人事にかかわりを持つことを

避けたがる風潮の中で、

久々に見たすがすがしい情景であった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
席を譲るといった親切心を持つ人は結構いますが、

ここまで人様に言う勇気を持つ人は稀でしょうね。


世の中、他人には無関心な時代でありながら、

見ず知らずの赤の他人が、

まるで我が子に言い聞かせるように諭している。


心に染み渡る言葉ですね。