ドラマや小説の世界では
認知症になった者は進行が早くて・・


2.3年で自分のトイレの始末が出来なくなり・・・

回りの者の区別もつかず・・・・

暴言を吐き暴力を振るい・・・
あっという間に寿命が尽きてしまう・・・・


というような展開になっているのですが・・・



妹二人もわたしも・・・・

姑さんが仲良く認知症になり・・・



認知症患者の世話をして来ました・・



亡き母が「認知症になると先が短いと言うから
思い残すことがないように・・・

心を込めてお世話をしてあげなさい・・」


と教え諭してくれましたが・・・

 


わたし達が実感したのは・・・
認知症だけでは簡単にお迎えが
来ないと言うこと・・・

 

 

いくらボケても関係なく・・・
人は寿命が尽きるまで生きていけます・・・


うちの姑さんは73歳の時に認知症になり
その後15年間頑張ってくれました・・

享年88歳でした・・・


妹たちの姑さんもよく似た年まで

長生きでした・・・



認知症は病気の種類にもよると思いますが
家の中のタンスの中身を

上から下まで全部放り出して
足下をグチャグチャにしたり・・・


掛けてある額縁を杖でたたき落として
足下は割れたガラスだらけにしたり・・・・




天井から賊が侵入してきたと言って
空中に向かって・・・
草刈り釜を振り回したり・・・


水洗トイレで顔を洗ったり・・
道ばたのつもりで・・・・
廊下で大小便をやってしまったり・・・

こういうことは日常茶飯事でした・・・


 

ただ一つ、これだけは言えることがあります・・・

 


認知症の患者さんは毎日24時間ボケている
わけではないんです・・・


普通の会話が出来て

当たり前に過ごせる時間もあります・・・


認知症の意味不明の行動は
病気がなせる技で・・・


決して本人が好き勝手に

やっていることではないと言う事・・・


毎日一緒に居る人は忘れないけど・・
たまに顔を出す人のことは

我が子でも分かりません・・・


わたしの事・・最後には自分が生んだ娘だと
言っていましたが・・・


認知症になってもわたしの姿を探し求め・・
死の間際の時には正気に戻って・・・

 


「羽ちゃん・・お願いします・・!」
「Tちゃん(娘の孫息子長男)・・・お願いします」
と言って亡くなりました・・・


娘の孫息子は

「おばあちゃん、お願いしますって

何をお願いしたいの?」

と訳がわからず聞き直していましたが


後のことを頼むと言う

意味だったと思います・・・



娘の孫息子長男は

うちで預かっていることが
多かったので・・・


姑さんは頭がこんがらがってくると・・・
わたしと息子と娘の長男の3人は
自分が産んだ子だと錯覚していました・・・


わたし達は訂正は一切しません・・
姑さんの思い通りに姑さんの
子どもになりきっていました・・・


しょっちゅう幻覚やせん妄が
現われる日もありました・・・


食べるとトイレに間に合わず

所構わず洩れることもありましたが・・・


年寄りの介護は

食べさせるのと下の世話が

基本です・・・



食べたら出る・・・

それは当然の自然現象です・・・


わたしは少しでも清潔で気持ちよく

してあげたいと必死でしたから・・・

どんな世話も苦にならず平気でした・・・



相棒は臭い、汚い、不潔だと

母親を嫌がりました・・・・



(今、自分が同じ立場になってみて・・・

どう感じているのか・・・?)




息子は仕事でビルから飛び降り自殺をした人の
遺体を運んだり・・・・

飛び散った脳みそをかき集めたり・・



交通事故に遭って

片足が田んぼに飛んだ人の足を
田んぼから拾い上げ抱えて運んだり・・


車で焼身自殺をした人の遺体を

取り出したりするのも

仕事のひとつでもありましたし
慣れていまして・・・


「祖母の排泄物の世話ぐらい何でも無い。

命がある証拠や。こうして動けて

生きていてくれるだけでありがたい。」



と、わたしと一緒になって

祖母の下の世話をしてくれました・・・



息子は常にわたしの気持ちを
おもんぱかってくれますので・・・・

 


今までからずいぶん

姑さんの介護の面では・・・

助けて貰ってきました・・・



今回は相棒の介護面でもかなり

助けて貰っていますが・・・


気安さから息子をいつもボロクソに

こき下ろしてるけど・・

 


心の中では感謝してるよ・・・
あんたは優しいから・・・・

アリガトネ息子よ・・・・!



認知症の行動は人によって違いますが・・・
4女クンの話は

当時バカウケ受けしました・・・


もうチョットだけお付き合いくださいね・・・

これはオマケ・・・!

 


4女クンの姑さんは・・・
真っ先に息子の存在を忘れたことから
認知症が始まりました・・・



仕事から帰ってきた息子が家へ入ると
連れ合いの爺さんに・・・


「あの男が毎日家の中へ入っていくんやけど
見たこともない男や・・・
爺さんあの図々しい男は誰か知っているか・・?」



と爺さんに言うので
「あの男はお前が産んだ寅(年生まれ)

の子や!お前の子やぞ~!」




と爺さんがこたえると婆さんは・・
「わて、寅の子を産んだ覚えがない!」

と言ったそう・・?



母親は我が息子を忘れる事があるみたい・・・
うちの姑さんも相棒が「うら、誰か分かるか?」



と聞いたとき「しらん!」と返事をされたため・・



「オッカアは昔からボケていたぞ!
まともだったのはうらが高校生の時までや・・」


とは・・・
それを先に言ってくれ~!