妹の４女クンに
「わたしが行けなくて申し訳なかったのに
昨日の従姉のお葬式に参列して
貰ってありがとう・・」
とねぎらいの電話をすると
「絶対に笑わんと聞いてくれる・・・・？」
と言って葬式会場でのハプニングを
語り始めました・・・
わたしの実家の宗派は
永平寺を本山とする曹洞宗で葬儀の時には
お坊さんがその家の要望に応じて
何人も来られます・・・
うちの父や母の時は人並みに７人
来ていただきましたが・・・
１３人ほどお坊さんをお呼びする
大金持ちもいるかと思えば・・・
若い子は予算の都合で一人だけで
お葬式を執り行われる方もいます・・・
お坊さんに支払うお金は
一人１０万円ぐらい包みます・・・
その金額は菩提寺のご住職さんが
決められます・・・
葬儀は別名 楽器入りの音楽コンサートの
ようなもので・・・
どうしてもそのコンクールを
成功させるには最低４人の
お坊さんの人数が必要です・・・
一度・・・親が亡くなって息子さんが
一人だけお坊さんをお呼びして
お葬式を執り行われた家があります・・・
お葬式のお経の輪唱というか・・
一人では出来ないのでカット・・・
その後、続く見せ場のチーン・ポーン・ジャラン
と音を出すところで
音出効果のお坊さんが誰もいなくて
一人お坊さんがお経を読みながら
一人でこなせる音は
チーン・チン・チッチッチ
だけで終わったそうです・・・
参列者はアレではいくら何でも送り出される人が
可哀想やさかいに・・・
せめて自分の時はチーン。ポーン。ジャラン。
の音で送り出して欲しいと
誰もがソレを願ったとか・・・
トライアングル・・・？（チーン）
太鼓（ポーン）・・・
鐃鉢（にょうはち）（ジャラン）
だんだん早く音を出すようになると
チン。ポン。ジャラン。
チポジャ。チポジャ。チポジャ。
従姉の親戚も最低限度にこだわり・・・？
あの音に見合ったお坊さんは３人で用が足りると
本当に３人だけをお願いしたそう・・・
ところがですだ～
３人ではちょっと無理が行ったそうで・・
ご住職さんが真ん中の席に座られますと
そのお世話役に一人が取られましたそうで・・・
残りは一人・・
どうしたと思われますか・・・？
そのお坊さんの前にドラマーよろしく
音を出す楽器が全部集められまして・・・
ドラムをたたく要領で
一人で全ての音を出していかねば
ならなくなりましたそう・・・
音程の外れた音が響き渡り・・
ビックリしたお世話役さん・・・
小走りにご住職さんの耳元へ行って
何かをささやかれ・・・
ご住職さんにも一つ音を出す役目を
お願いされた模様・・・
中のポーンと言う太鼓の音だけは
ご住職さんの役目になりました・・・
一人が一つづつ言う台詞も
人数が足りなくて・・・
仲を取り持つお世話役のお坊さんが
声を出しながら・・・
あっちへ走りこっちへ走り・・・
汗を掻きながらの大運動会・・・
参列者は・・・お葬式の最中に
お坊さんが走って回るせわしいお葬式なんて
今まで見たことがない・・・とブーイング
けちらずにあと一人だけお坊さんをお呼びすれば
師走じゃなくて・・・坊走もなかっただろうにとは・・
このご住職さん・・出棺前に従姉の自宅へ
お参りに来て・・・
お棺の前で自分の着物の裾を踏んで
スッテンコロリと
前のめりになって転ばれたそう・・・
「これでは仏様も成仏できないわ・・」
と思った矢先の出来事で・・・
一人のお坊さんの前に
打楽器が１式並んだお葬式は
見応えがあったよ・・・
と４女クン・・
のど自慢なら鐘一つってとこらしい・・・
「どれだけ笑わせれば気が済むんだ～」・・と４女クン
吉本芸を地で行っていた従姉らしい
お葬式で・・・
最後まで笑わせてくれるなんて
とても印象に残っていとおかし・・・
姉ちゃんあの世でも楽しく過ごしてね・・
10歳の時に亡くなった伯父さんにも
会えてるねきっと・・・
伯母さんやお兄ちゃんや・・・
それから旦那さん・・・
もうお酒飲まずに優しくなってるかしら・・
全て許して天国ではみんなで幸せになってね・・・
ご冥福をお祈りします！