朝方お隣の奥さんがピンポーンと鳴る
チャイム音と共に現われた・・・
 
 
そしてビックリする事を知らされた・・・?
 

「奥さん・・昨日病院へ連れて行って
お父さん死んだ~!」と言われる・・・
 

つい1週間前までお店の待合室で
元気な姿をお見かけしたはずだと思ってたのに・・・・
 

「お父さんガンが全身転移していて
多臓器不全でなくなった・・・
 
 
それまでは入院はしたくないというもんだから
家から病院へ通院していたんだけど・・
 

腹水が溜まるからと言って
点滴も打ってもらえず水さえ飲めず・・・
 
 
腹水が溜まってお腹がポンポンに
膨れあがってズボンもはけなくなったので
病院へ腹水を抜きにいったのよ・・・
 
 
ほとんど何も食べられる状態でなかったので
もしかして今日から入院しなさいと
言われるかも知れないと思い・・・
入院の準備をして出掛け・・・
 

「お父さんしんどそうやから
わたしも一緒に病院へ泊まり込んで
看病するね・・・」
 

と言うと「悪いなぁ・そうしてくれると助かるわ」
と言ったのが最後の言葉やったわ・・・
 

入院手続きをして病室へ戻ったら
お父さんがいないので・・・
 

詰め所の看護師さんに
「お父さんはどこへ行ったのですか?」
 

と聞くと処置室へ腹水を抜きに
行ってると言うので・・・
しばらくそのまま待っていると・・・
 

看護師さんが急に走ってきて
腹水を抜いてる最中に
息が止ったと言うのよ・・・・
 

入院手続き中に呼吸停止とは・・・?
 
 
10年前にガンが見つかり福井県内の病院や
金沢病院や京大病院でも手術を断られた
難しい場所の手術を・・・
 
 
東京のXX病院だけが
引き受けて手術してくださり
 
 
余命3年と言われたのが
5.6回手術を繰り返し・・・・
丸10年生きられたそうです・・・
 
 
 
本人も我慢強い方でしたが
ガン患者さんに寄り添って共にサポートしてこられた
 
 
奥さんやお子さんやお嫁さんお孫さん達は
それぞれ出来る範囲で長きにわたり
ご主人を支えてこられました・・・
 
 
病院へ連れて行く前の2,3日間は
夜中に17回ほど起きてトイレまで
付き添っておられた奥さん・・・
 

そのたびに「悪いなぁ・・悪いなあ・・」と
謝ってばかりされていたそうで・・・
 

「病気の時はお互い様や・・気にしないで!」
と言い続けられたそう・・・
 
 
最期まで奥さんに「悪いなぁ・・ありがとうなぁ・・」
と言い続けて旅だって逝かれたご主人・・・
享年74歳・・・

 
 
奥さんも、息子さん二人も・・
お孫さんやお嫁さん達も・・・
 

自分達ができる限り最高にご主人に
尽くして来られた・・・
 
 
共にご主人の人生レースを
伴走して来られたご家族達・・・
 

その人達の顔にはやりきったという満足感と
安堵感が漂い・・・
誰一人泣く人はいませんでした・・・
 
 
お通夜の席に仲良しとして
親族席に座った相棒とわたし・・・
久々に見る爽やかな家族葬でした・・・

 

お隣にいた人が急にいなくなるのは
ずいぶんさみしいことですが・・・
 

苦しみから解放され
ご自由な身に成られたと思うと
何よりそれが嬉しいです・・・・?
 

ご主人様どうぞ天国でお幸せにと・・・
祈るばかりです・・・