年寄りの母親の心理というものは
体の身動きが取れなくなるほど・・
 

外の世界へ息子に一緒に
連れ出して欲しいと思うように
なるみたい・・・
 

自分の感覚でまだ歩けるうちは
人より歩くスピードが遅れたり・・
手間取ったりするようになると
 
 
相手に迷惑を掛けたくないと言う
気持ちから
 

一緒に出歩くのを辞退したいという
気持ちになるが・・・
 

それを通り越して
寝たっきりになったり・・・
車いすの生活になると・・・
 

何故かタガが外れたように
どんどん外出をしたくなるらしい・・
 

ご近所に90代後半の
寝たっきりのおばあさんが・・・
 
 
息子さんご夫婦と一緒に
暮しておられた・・・
 

お風呂もご自分では入れず
ケアーセンターのお風呂付きの
車が来て施設の方に
 

週に2度ほどずつ
お風呂に入れて貰っておられた・・
 

頭はしっかりしておられたので
今日は何曜日だと言うことも
熟知しておられ・・
 

毎週日曜日になると息子さんに
町へ出掛けたいと頼み・・
 

息子さんは寝たっきりの母親を
車に乗せて・・・
 

町並みの風景を余すところなく
見せて歩くのが仕事になっていた・・
 

何故か・・普段お世話をなさっている
お嫁さんを除いて二人っきりの外出・・・
 

優しい息子さんは・・老い先短い
母親を優先して・・
 

車の運転の出来ないお嫁さんを
いつも家において母親と連れ立って
ドライブを楽しませてあげていた・・
 

何か・・・お嫁さんに言われぬことで
息子さんに言いたいことが
あったのだろうか・・・?
 

おばあさんが亡くなるのと
前後してついにお嫁さんも
体の不調を訴えて・・
 
 
歩けなくなり・・・
施設へ入所・・
 
 
介護の経験の無いご主人は
お嫁さんの世話も
自分の食事の支度も出来ず
 
 
今ではご主人も
別の施設へ入所中・・
 

親思いの優しい息子さんだったが・・
自分たちの幸せは親の介護で
後回しになってしまってるうちに・・
 

お嫁さんの方が
介護に力尽きてダウン・・・・!
 

何が幸せで何が不幸せなのか・・
人の家のことはよく分からないけど・
 

幸せは自分たちの希望通りには
巡ってはこないものらしい・・・
 

奥さんも長い間介護で
大変だったと思うけど・・・・
 

老いた母親を持つご主人は尚
奥さんと母親の板挟みになり・・・
 

どちらのご機嫌も取らないと
いけなかったのが憐れ・・・・
 
 
戦力外の相棒よ・・・?
 

今でも動きが鈍いのが
無理すると余計ややこしくなるから
ちっとも頑張らなくていいわ・・・
 
 
あんたは別に当てには
していないけど・・
 

わたしたち・・・
あまり息子の自由を奪わずに・・・・
 
 
野村克也さんみたいな最後を
目指したいね・・・!