明け方おかしな夢を見た・・・

なんだか無性に悲しくなって
涙を流し続けていた・・・

その夢とは・・・
以前勤めていた職場(今はもうない)から
何かのパーティーの案内状が届いた・・

以前はその職場の長の奥様から
格式あるパーティには和服でお願いしますと
言われていたのを思い出した・・・
 

20年来勤めていた仲良しの友とわたしは常に
コンビで招待され・・
着物姿でよく出かけていた・・・
 

又二人で示し合わせて・・
お互いに主催者より目立たない
地味なものを選び会場を訪れた・・
 

だがそこに案内してくれた人は
見ず知らずの方で・・・
 

「チョットお二人はこちらの部屋で
しばらく声をかけるまで休んでいてください・・?」
 

と、すぐに会場へ出るのを拒まれた・・
友達と二人で・・
 

「何かチョット不気味よ・・?
窓から外を眺めてるけど・・
集まってくる人は知らない人ばかりよ・・
 

ほら!見て!
着てくる着物は黒とかグレー一色よ・・?
 

私達には場違いな場所かもしれないわよ・・・?
誰も呼びに来てくれないし・・
そっと帰ろうか・・?」
 

と・・友がわたしに耳打ちした・・・
 

「でも二人とも、招待状は確かに届いてるし・・
誰かにそっと挨拶だけでもして
帰った方がいいんじゃない・・・?」
 

と言うことで・・
いくら待ってもお呼びの来ない部屋から
そっと抜け出し・・・
 

会場の隅っこに立った・・・
すると何事も機敏な職場の元長が・・
 
 
不自由な足を引きずるようにして
私達の所へやってこられて・・

二人の手を取り滂沱の涙を流された・・
「君たち二人がいてくれた頃が
僕の職場の最盛期だった・・・
 

わがままばかり言って苦しめてきたけど・・
何一つ刃向かわずに、支え続けてくれた
君たち二人のことは一生忘れません・・
 
わざわざ来てくれて本当に嬉しかったです・・
今日二人に逢えてもう何も
思い残すことがありません・・・
 
ありがとうございます。」
 

とだけ仰ると・・
 

今まであった会場も参加者も
一斉に目の前から消えてしまっていた・・
 

・・・先生・・わたし達の方こそ
長い間・・公私にわたり大変お世話になり
続けてきました・・・
 

頭を下げたいのは
わたしたちのほうです・・
 

先生の頭を下げさせるなんて
おこがましいことをさせてしまって
申し訳ありません・・お許しください・・」


消えた先生の後を追って
泣いていたわたし・・・
 

夢から覚めて・・はたと気づいた・・
 

今年は先生の3回忌だった・・・
 
 
手を合わせ・・・
先生のご冥福を心からお祈り申し上げます・・・