綺麗な人だった・・・
当時彼らは若すぎた・・・
 

幼すぎて先のことまでは考えられなくて・・・
結婚したいという彼に・・・
 
 
親は猛反対し・・・
学生の身でありながら何という
不届き者だと言って叱り・・・
 
 
そんなことを言うならもう学費は送らない
と突き放した・・・
 
 
彼は仕方なく大学を出るまで待ってくれと彼女に
言ったのに・・・
 

彼女はそのまま他の人と結婚して
故郷を出て行った・・・
 
 
初恋は実らないという・・・
ジンクスは破れなかった・・・
 
 
彼は長男でありながら
彼女のいない故郷へは戻らず・・・
 
 
遠い県外で知り合った女性と県外で結婚し
何不自由のない生活を送ってるのに・・・
 
 
贅沢な生活に慣れても時々思い出すのは
実らなかった初恋の相手のこと・・・
 
 
もし初恋の相手と結婚していたら・・
細々と定年後も○○士として生計を立て・・
暮らすことになっていたら・・
 
 
いつまでもこういう哀しい記憶を持たずに
もっと心が満たされた毎日を
過ごしておられただろうか・・・と
 
 
彼は寂しそうに語った・・・
 
 
思い出は時が経てば経つほど
どんどん美化されていく・・・
 
 
人はそういうことに気づかず・・・
現実から遠く離れた過去に
 
 
今の幸せを求めて生きていく・・・
哀しい生き物・・・