♪ ははのんきだね～ ♪

相棒・・・
立ったり座ったりする度に

「ヨイショ！」と
綱引きの時のようなかけ声を発する・・

わたしが
「爺くさいからその言葉を控えて
介護施設で教えてるように

お辞儀をして立ち上がるようにすれば
楽に立てるわ・・・」と言ってるのに

わたしの言葉には聞く耳を持たず

いつも素通りして・・・

相変わらずうるさい「ヨイショ！」の
かけ声が家中に響き渡っている・・

よそへ出掛けてもその調子なので

・・・・「いくら良い格好をして若く見られたいと思っても

そのかけ声では周りは幻滅よ・・・」

と内心思ってるわたし・・・・・・

そして最近アナ恐ろしや・・その余波が・・
別のところへ広がってきた・・・・

いい加減にしておくれやっしゃ～・・！

うちは冷蔵庫の前にワゴンに乗せた
電気炊飯器が置いてある・・・

夕方の６時にご飯が炊きあがるように
タイマーをセットしてあったのに・・・

相棒は冷蔵庫の前に立って
品物を取り出すときに・・・

ついに・・電気炊飯器のお釜を押さえて
体の突っ張り代わりにしたため・・・

セットした時間が解除され・・
夕食が間に合わない事態が発生！

ヨイショじいさんの突っ張り代わりにされる
家電製品はこれだけではない・・

洗濯機も洗濯中なのに自分が洗面するときに
通り道の突っ張り代わりにしボタンを押さえて
中断したり・・・・

乾燥中の洗濯物を見に行き除湿器のボタンを

突っ張り代わりにして電源を切ったり・・・・

いつも通り道で何らかの爪痕を残す相棒・・・

わたしがご飯を食べてる最中でも
雨樋が壊れそうになってきたお前が上って
早く直してこいと命令をする・・・

どうせ自分は命令しか出来ないんだから
ご飯ぐらいゆっくり食べさせてよ・・・・
と思ってしまう・・・

風雨に何十年もさらされた家はその部分を
修繕したり部品を取り替えるだけで
さらに持ち直すけど・・・

取り替えのきかないヨイショじいさんの衰えは
とどまるところを知らない・・

その後を追うようにして歩いてる自分のことを
今の自分は知らない・・

♪　ははのんきだね～　♪