身近で起きた出来事・・・・・


ご主人と息子さんと3人家族だった母親は
息子さんが県外の大学を出てそこで就職し
結婚したために・・・


自分は田舎でご主人と一緒に暮らしておられて
70代でご主人を亡くしてからは

 

 

84歳になった今も
一人暮らしをされていた・・・



息子さんは母親のことが気になり・・
自分のところへ呼び寄せて面倒をみたいと思えど


自分たちの住む家には母親が来て暮らす
生活スペースがないうえ・・・


自分たちは共働きで
昼間母親の世話をする人がいない・・・



俺は一人息子なのにたった一人の
母親の世話も出来なくて情け無いと
息子さんは母親に詫びつつ・・



田舎に住む父親の妹の子(従妹)に
母親のことを頼み・・・


もし何かあったらすぐ飛んでいけるようにと
警備保障会社に頼んで・・

 


母親の動きを察知するセンサーを付け
定時間にモニターで確認して貰っていた・・


ある朝、警備保障会社から息子さんのところへ
電話があり・・・


「お母様の動きが夜から朝まで全く感じられない・・
どこかで何か異常があったのかも知れないから
今から見に行きます・・・」


との連絡を受け近くに住む従妹にもすぐ連絡し
見てもらいに行かせた・・・


従妹は叔母さんが自分で食事の支度ぐらいは
できると言われていたので・・・


自分の家族の夕食を作るときに叔母さん一人分の
おかずだけを作って毎日運んでいたそう・・・・・



その叔母さんの動きが全くないとは・・・?



慌てて叔母さんのうちへ駆けつけてみると・・



叔母さんは夜お風呂へ入って・・
上がろうとして湯船から出ようと試みたけれど



どうにもこうにも足に力が入らず立てなくて・・
このまま眠ってしまうと溺死すると思い・・


湯船のお湯だけ抜いて裸で湯船に
横たわっておられたという・・・



すぐ病院へ運ばれた先の医師の診断はなんと・・・・・
「栄養失調」だった・・・・



叔母さんは息子さんや姪っ子には
迷惑を掛けたくない一心で
炊事は自分でやれると言っておられたのに・・・



実際にはその気力もなく・・・・一日に1回だけの
姪っ子が運んでくれる夕食のおかずだけで・・
日々を食いつないでおられたという・・



現代社会における・・
一人暮らし老人の栄養失調・・・




遠く離れて暮らしても母親の動きや状態を
24時間センサーで見守ることしか出来ない
息子さんと・・・



大事なたった一人の息子さんに
迷惑を掛けたくないばかりに・・・・



電話ではいつも「大丈夫だよ!」と
元気なフリを見せていた
子を思う母心が招いた悲劇・・・・



母親は決して子どもの前では泣き言を言ったり
弱さは見せられない・・・



それは年齢を問わず
誰にも通じるものかも知れない・・・

 

 

相棒がいる間はいいけど・・・・

一人になったら・・・・・

(絶対相棒の方が長生きしそう・・)・・

 

 

残された者の悲劇・・・

 

 

明日は我が身かも知れない・・・