うちの町内は高齢化のため
町内会長になる人がいなくて・・・
 
若い人と同居してる場合には・・
その子が独身であろうとなかろうと関係なく

今までやったことが無い人が1年間
ずつ順に持ち回ることになった・・・

30軒前後あるこの町内は母親がすでに亡くなり
父親が高齢で嫁に行かずに同居してる娘さんの
ところへ町内会長の役が回ってきた・・

40代後半の娘さんが30軒をまとめる町内会長・・・
それはそれでいいんだけど・・

今のこの年代の人は合理主義というか・・
機械的に自分の任務を果たしてるという感じで・・

町内の行事の面倒くさい関わりを避けて
町内のどなたとも言葉を交わしたり
顔を合わせても挨拶もしたりしない生き方をされてる人
 
個人の生活を優先にし個人情報を大切にして
孤独に生きる人たちが増えてきてる中の一人だった・・

役が回ってきたらイヤでも町内の人たちと
触れ合っていかねばならないのに・・・

どうされるのかしら・・
と・・老婆心ながら先のことが気になっていた私・・
 
案の定・・町内の誰とも顔を合わせず
町内の役目をこなし始めましたわ・・
 
月に2回回ってくる市の回覧板や広報誌などを・・・
普通の町内会長さんは1軒1軒訪ねて歩いて言葉を掛けて
玄関先まで配って歩きますが・・
 
合理主義のこの町内会長さん・・・
回覧板と共に広報誌や印刷物などを
一緒くたに袋に入れて・・
 
 
「一部ずつ取って次の方に回して下さい」
とだけ記入して・・・玄関の外に置いてあった・・・
 
 

その回覧板の袋の重いこと・・
とても片手に持って歩けないので・・・

両方の手で胸に抱えて次の方の家まで
その袋に入った回覧板を届けましたわ・・・

そこは80代のご夫婦がお店をやっておられる・・

「すみません回覧板をお願いします!
なんかここに入ってる広報誌と印刷物などを・・
一部ずつ取って次の人に回すようにと書いてありますが・・・
 
結構重いので転ばないように気を付けて下さいね・・
広報誌を回覧板と一緒に回したのは初めてで・・
慣れないと手首を痛めそうでお気を付けて下さね!」

と言って帰ろうとすると・・
そこのご主人が・・・

「今度の町内会長は何とダラなんやろう・・・?
(ダラ・・だらしない)
これを一軒一軒配って歩くのが町内会長の仕事なのに・・

そのために市から町内会長の奉仕料として
年間わずかでも当たってるのに・・
 
こんなことをしていては町内会長の役目を果たし取らん・・
それにこの広報誌は・・うちはここで店を経営して

住まいは裏町内になっているけど
町内会費はそれぞれで2軒分支払ってるけど・・
 
裏町内ではこの広報誌は2週間前に配布済みやわ・・
それを今頃回すなんてなんてダラな~

連絡は早く回覧しないと日付が済んでると
間に合わない行事もあるというのに・・・・・
 
と・・私に散々小言を言われましたわ・・
じっくり聞いてあげるだけ・・・
 
それで納得されたのか・・
「あっ・・こんなことを羽ちゃんに言ってごめんねぇ・・

町内に住んでる以上は何かあったらお互いに助け合わねば
ならんのにこんなことをしていては町内会員の顔さえ
覚えられん・・・

若い子は合理的に物事を進めていくけど
昔ながらの町内会員同士の情がだんだん薄れていくんかのう・・

こんなことを思う私の考え方が古いのか・・
時代は変わってしまったのか・・

情け無い世の中になっていくような気がしたもんで
羽ちゃんに愚痴って許してのう・・」と言われるご主人・・

はい・・そうですね・・とも
いいえ・・それは違います・・とも

断言できず私も複雑な思いで帰ってきた・・・

そう・・私は会社で言うならば
中間管理職の立場・・・
 
若い世代の子は40代~50代・・
私たちは60代~70代・・
そして長老組が80代~90代・・
 
舅姑に仕え余分な口出しは極力控え目にと言われて
暮らしてきた時代の私たちには・・・

どちらの立場も理解できるだけに
納得いく言葉も掛けられない・・・

これからの時代・・私たちの上の年代の方たちが
杞憂することがないような

町内になってくれることを祈りたい・・・!