娘が言った・・・
 
「昔は何でもかんでも親の言うことは
時代に合っていない・・古すぎると
反抗してきたけれど・・・

子どもが適齢期に達してくるとやはり
親の立場としてはお母さんと一緒のことを
子どもに言ってるわ・・・

親は嬉しいことや悲しいこと辛いことや
苦い体験をその年になるまで

いろんな経験をしてきたからこそ子どもに
同じ道を歩ませたくなくて出た言葉だと
今ならよく解る・・・
 
わたしも子どもが
帰る時間になっても帰って来ないと
 
何かあったんではないかと
早朝の仕事があっても
夜も眠れずずっと待っている・・

旦那がお酒を飲み過ぎて
朝帰りになってもチットも気にせず
爆睡出来るのにねぇ・・・
 
 

・・・そうよ・・・
あんたは生まれて初めて口をきいたときに
出た言葉が・・・

「い や よ」 だったわねぇ・・
 
反抗期の年齢も全く関係無しにずっと自分の
思いを貫いてきた・・・
 
町に生まれ草1本引いたことがないのに
あんたが田舎へ行くと言うから・・

そんなきゃしゃな体では
とても百姓はつとまらないと

私たちは反対したねぇ・・・
 

婿殿があんたをお嫁にもらいに来たときに
お父さんはこんな気まま娘をよそへ出すと
相手が困ると言って・・・
 

・・・・本当はいつまでも
このまま嫁に出さずに
家に置いておきたかったのだろうけどねぇ・・・
 
 
相手があっさりあきらめてくれれば
助かると思ったんだろうねぇ・・
 

「この子は家ではな~んもせん!な~んもできん!
断わるんなら今のうちやぞ!貰ってから後悔するなや!」
と言い・・
 

娘には「家で何もしない子が大百姓へ言って
つとまる筈がない・・お父さんが断わってやるから
やめるんなら今のうちやゾ!」

ととんでもないことをいい放ち・・
二階の引き籠もり部屋へ姿を消したっけ・・・・・
 
それからわたしは二人の決意が固いのを知り
全力で応援してきたわ・・
 
 
今は・・娘も外面が良い方なので
職場でも家庭においてもうまくやれてるみたい・・・
 

娘が結婚して約21年間・・・
結婚前も結婚後もチットモ変わらぬ
婿殿の誠意と優しさには頭が上がらない・・・
 
 

もしかして・・
わたしより見る目があったのかも知れないと・・
 
 
親の危惧が杞憂に終わったことが
何より嬉しく・・すべてに感謝したい気持です・・