これは何かの暗示だろうか・・・・?
 
 
昨日の明け方夢か幻か・・
解らないような夢を見た・・・
 

わたしはいつも生まれ育った
実家の夢をよく見る・・・
 

夢の中でわたしが実家へ訪れたときは
家には誰もいなかった・・・
 

いつも実家の鍵は開けっ放しなので
どこからでも入れる・・・
 

わたしは母の寝ていた裏口からそっと
母の部屋に入った・・・
 

そこにも誰もいなかった・・・
洗濯物がきれいにたたまれて
台の上に置かれていた・・・
 
 
ああ~・・母はもう亡くなって
誰もこの部屋にはいないんだ・・・
 
 
もうわたしがいくら遠くからやってきても
「遠いところをよく来たなぁ疲れたやろう~?

早う中へ入って一服してくれ!
お前の好きな○○があるでぇ・・
食べるか?」
 

と言って笑顔で迎えてくれた
母はもういないんだ・・・・
 

それは解っているのに・・
せっかくここまで来たんだから・・
 

肉体はなくなっても母の魂はこの場所に
残ってるはずと・・・
 

母の部屋に入っていつものように・・
 
 
「おかあちゃん?お久しぶり~
羽が来たでぇ~」
 

と部屋の真ん中で声に出して母を呼んでみた・・
 
 
すると・・母がその部屋の中へ急に現れた・・・
腰を半分折り曲げて
いつもと変わらぬ満面の笑みを浮かべて・・・
 

「羽・・よう来たなぁ・・
久しぶりなんて言わないでいっつも来てほしいわ・・・
待ってたんやで・・お前のことを・・」
 
 
と母は快く笑顔で迎えてくれた・・
 

・・・お母ちゃんは死んでいるのに・・・
・・・自分が死んでることが解らないのかしら・・・?
 
 
・・・でもお母ちゃんに会えるならお化けでも
幽霊でもいい。こうして出てきてくれて嬉しい・・・
 

幽霊にはこの世の者は声を掛けてはいけない・・
はかなく消えてしまうから・・・
 

と幼い頃祖母から教えられた鉄則も忘れて・・・・
あまりのうれしさに・・・
 

「おかあちゃん・・今までどうしてたん・・?」
 

とわたしが質問したとたん・・・
 

母は畳の上に仰向けに倒れて・・
みるみる顔の血の気が引いて行き・・
 

何者かの力で猛スピードで
仰向けに倒れたままの姿勢で
引っぱられていく姿を見て・・・
 

「おかあちゃん!行かないで~!
行っちゃぁ~  イヤダ~!」
 
とわたしも泣き叫んであわてて・・
猛スピードで母を追って母を引き起こし
 
 
自分の体にしっかりと母を抱き止めて
行かせないように守ろうとしたのに・・・
 
 
母はわたしの胸の中でいつもの良い香りと
暖かさを残したまま・・・
 

自然に消えてなくなってしまってた・・・
 
 
夢から覚めても母の変わらぬ笑顔と
最後の言葉を思い出し・・・
しばらく泣いていた・・・
 

久しぶりなんて言わないでいっつも来てほしいわ・・・・・」
それが母の本心だったかも知れない・・
 

昨日の夜・・・
京都の姉から電話があり
 

「お母ちゃんの1周忌の法事は5月3日だけど
 

お母ちゃんの亡くなった祥月命日の2月23日には
子どもだけでも集まってお経を上げて貰おうと
妹達が言ってるわ・・・
 

1周忌の法事には行くけど
急に言われてもその日はほかの用事があって
 

お父さんに車で送ってもらわないと
わたし一人では手が痛くて重い荷物が持てないし
出掛けるのは無理みたい・・
 

羽も雪の中に埋まっているから
車もだせない状態みたいだし・・
 

残りの三人と義妹と従姉の五人で
お経さんだけでも先に上げて貰おうという話に
なってるそうやで・・」と姉が言った・・
 
 
あと1週間ではとてもわたしの運転では
雪壁の高速は無理かも知れないし・・・
JRも果たして順調に動けるかどうか解らない・・
 
 
姉からの電話の前に
突然こんな夢を見るなんて・・・
母は私に会いたかったのかしら・・・?
 

そうだった・・昨年の母の初盆も
わたしは高熱の感染症にかかり
 

1ヶ月近く寝込んでいて
行けなかったんだった・・・
 

それからも大腿骨のひび割れの治療で歩けず
運転できず実家へは行けてなかったし・・・
 

母は顔を出さないわたしのことが心配で
夢に現れたのかしら・・・?
 
 
お母ちゃんごめんなさい・・・
1周忌には必ずお参りしますから・・・・
 
 
たとえ夢であっても・・・ほんのしばらくでも
生前の元気なお母ちゃんに会えて・・・
羽は幸せでした・・・