亡き母の夢を見た・・
場所は母の実家で・・・(母方祖母宅で・・・)

母が祖母にきれいに髪を結い上げて貰い

顔におしろいを塗って
細身の流行スタイルの衣服を身にまとい・・
鏡を見て笑顔を振りまいていた・・

気になってわたしが
「お母ちゃん、今日はどこへ行かんすんや?」
 (行かれますかの敬語)
 
と聞くと
「婦人会の研修旅行で県外や!
今役場から迎えの車がくるのでそれに乗って行くわ。」

とルンルン気分でいる・・

わたしの頭の中では母がすでに亡くなっているという
記憶がしっかり刻まれている・・
 

母の若い頃は婦人会でいろんな役を引き受けて
しょっちゅう外出していた・・

貧困や子だくさんの苦労ばかりでなくこうして
楽しみの日々もあったことが嬉しく思え・・・

母に一言こういったわたし・・
「お母ちゃん・・今いくつ?」と尋ねると・・・

「わたしは・・35歳!」と母は答えた・・
 
だから・・そんなに若々しいの・・?

じゃあ・・その現場に居合わせた夢の中のわたしは
10歳だったってことになる・・・
 

しばらく間をおいて再び同じ場所へ・・

今度はわたしは長女と長女の孫娘次女を連れて
訪れていた・・
 
母は「この子は誰・・?」と
長女の抱いてる孫娘次女のことを指さして尋ねた・・
 
「Yの次女よ・・・お母ちゃんにはたくさん出産祝を
貰てるのになかなか連れてこられなくてごめんねぇ・・」
 
と言うと母は愛しそうに
孫娘次女の顔をのぞき込んだ・・
 
相変わらず母は美しい・・・

孫娘次女がポツリと一言・・・・・
「羽ば~ちゃん!なんかこの人変だよ!

顔の色がおかしい・・
あたしやママや羽ば~ちゃんは
顔の色が黄みがかってるけど・・・

この人の顔の色は紫っぽい白さで・・絶対変!
この人ゾンビだよ~!」

と叫ぶと・・・

母の顔が急に年を取り始め亡くなる前の顔に戻って
寂しそうにほほえみ・・・静かに消えていった・・・
 
わたしは母がわたしの前に現れてくれるのなら
ゾンビだって幽霊だって何だって構わない・・・・

もっとそのまま長くいてほしかった・・・

孫娘次女によってあっけなくも
夢から現実へ引き戻されてしまった・・・
 
虚しい夢・・・

母の死に目には間に会えなかったけど
たとえ夢であっても
 
久しぶりに母の生前の優しい
笑顔に触れられたのがとても嬉しかった・・・