男前でスタイルが良く金力がある男には
結婚していようがいまいが
 
それに群がる女性は数知れず・・・
 
結婚すればその癖は直るどころか
家庭を持った安心感からか・・

ますます女遊びがお盛んになる
ご主人がいました。
 

奥様はご主人より10才年下で・・
ご主人曰く「若いのがほしかった」

と言う理由で
 
まだ若い18歳の時に
商売をやってる28歳のご主人のもとへ
見合い結婚で嫁いでこられました・・

奥様はご主人のご両親と共に
朝早くから夜遅くまで家業の〇〇経営のために
頑張っておられるのに・・・

ご主人は仕事が済むと毎晩出掛けて
朝帰りが日課となっていました・・・

ご主人が浮気をしてるという噂が耳に入り・・
奥様がそっとご主人に確かめると・・

「浮気は男の甲斐性だ!
お前には何の迷惑も掛け取らん・・・

親もなく他人の家で貧乏暮らしをしてる
お前が可哀想で貰ってやっただけだ!

帰る家もないくせに一丁前に文句を言うな!」
と一喝されたとか・・・

息子の女癖の悪いだらしなさを情け無く思い
嫁の一生懸命親に尽くしてくれてる姿に
 
感謝してる夫のご両親は嫁には好意的で・・
生まれた孫息子のこともとても大事にして
かわいがってくれてたと言います・・・

ご主人は仕事が終わると遊び歩くので
家族5人揃って夕食を取ることも
少なかったとか・・・

愛情の満ちあふれた他人の幸せな結婚生活を
見てると自分がたまらなくさみしくて情け無くて
耐えきれなくなり・・・

ある冬の寒い日に奥様は息子さんを連れて
そっと家を出・・・近くを流れる川へ向かいました。

当時3歳ぐらいの息子さんの手をぎゅっと握り
黒い川の流れを二人でじっと眺めていたときに・・・

突然息子さんが「母ちゃん、はらへった~!」
と大声で泣き出したそうです・・・
 

・・・そういえばこの子には
まだ夕ご飯を食べさせてなかった・・

と母親は気づき・・・

たとえ仮面夫婦だとしても
小姑やご両親にはよくしていただいてるし・・・

ここにいれば息子にも
腹一杯食わせてやることが出来るし
将来の学費も十分出してあげられる・・・

主人が出て行けと言わない限り
この子の将来のために、わたしさえ我慢すれば
この子は一生側でみんなで守ってやれる・・・

と考え方を改め・・・

二人で飛び込もうとした川から息子の手を引いて
再び引き返してきたと言います・・・

あの日から40年後・・・
奥様はお舅さんご夫婦を看取り

息子さんは立派に成長され・・・
今では二人の娘さんの良きパパとして
会社を経営し順調にいっています・・・

ところが遊び疲れたご主人はついに病に冒され・・
それも回復の見込みのない末期がんでした・・

病院へ入院しても・・奥様は一度も
お見舞いには行かれなかったと言います・・・

息子さんが・・・
「親父は女道楽をしても
俺の学費は惜しむことなく出してくれて・・

商売をするときも援助を惜しまず協力してくれたし・・
結婚するための費用や家もポンと買ってくれた・・・

俺の二人の孫もとてもかわいがってくれて
節目節目のお祝いも弾んでくれた・・

おかんの女としての気持は十分解るけど
俺は親父のおかげでここまで育てて貰った・・・

今まで苦労知らずに生きてこられたのは
おかんの苦労と親父のおかげだと思ってる・・・
 
俺にとって親父は一生一人しかいない・・
 
俺が最後まで恩返しのつもりで
親父の面倒をみるよ」と・・・

病院へ何度も足を運び
心ゆくまでお世話をしてあげて・・・

ご主人も息子夫婦やその孫達に見守られ
眠るように穏やかに旅立って行かれたそうです・・
 
入院してから一度も奥様の顔を見ずに
旅立って行かれたご主人と・・・

元気な間中、女道楽が止められなかったご主人を
一度も病院へ見舞うことがなかった奥様・・・

ご主人のご遺体と対面された時の
奥様のお気持ちはいかほどだったか・・・

その胸中は察するに余りあります・・・・