ゴールデンウィークに入る直前
結婚してから約20年間お世話になった
職場の〇長が89才で亡くなり

当時一緒に勤めていた1才年上の元同僚と共に・・・
お通夜と葬儀に参列しました。

その職場は職員数12.3名の〇〇法人で
職員みんなが仲良くて本人同士のみならず・・・

ご家族や子ども同士とも交流があり
いざ何かがあると全員が駆けつけて
助け合ってきた
強い絆で結ばれていました・・・

そこの〇長も奥様も私たちのもうひとりの
父親や母親のような存在で頼り切り

細微に亘り
心優しく接してくださっていて・・・

約20年間・・・年に2回ほどの慰安旅行や
忘年会や新年会、お花見弁当など・・

共にご一緒して長い年月を苦楽をともにし
同僚と共に密度の深い絆を保ってきました・・・

アッそうそう・・仕事中でも職場の前を
焼き芋屋さんが通ると〇長が

「早く買ってきなさい!」と
気さくに声を掛けてくださりレジのお金を持って
人数分買いに走った事もありましたね・・・
 
わたしの嫁ぎ先は空襲に遭いその後福井震災に遭い
建てた家は二度も完全に破壊され・・・

その後の大洪水に見舞われ・・・
貧乏のどん底からの
結婚生活のスタートでした・・・
 
結婚するときどうにか私たち夫婦の住む離れは
新築してもらいましたが・・母屋の方はボロボロ・・
 
二人の子ども達の勉強部屋もなく・・・
長女がお友達の誕生パーティに招かれて

個人の勉強部屋を持っているのが
うらやましかったらしく・・・
 
「お母さんあたしはお部屋がなくてもいいから!
誕生パーティしないから大丈夫よ!」
と言って遊んでる長女の姿が哀れで・・・

「よっしゃ!お母さんがお家を建ててあげる!
二人のお部屋もちゃんと作ってあげるよ!」と・・・
義母と相談して・・

少しでも他より給料が高くて家のローンが
わたし一人の給料で返済出来る職場を
職安で探したのがここだったわけです・・・

自宅の近くに借家住まいを5ヶ月間して・・・
我が家の古い家を解体する日から勤めだし・・・

20年間・・・ローンを支払い続け
義母の痴呆が始まって介護のために
職を離れるまで勤め・・・

残りのローンはわたしの退職金で
一括払いできました・・

この家が建てられたのはあの職場のおかげと・・
子ども達にはいつもそう言い聞かせています・・・
 
それと同じようにわたしがフルタイム働いてる間
義母が子ども達の一切の面倒を昼夜を問わず
見てくれたおかげだとも思っています・・・
 
 
話は脱線してしまいましたが・・
20年間勤めて・・
退職してからも20年も経ってますし・・・

当時お世話になった〇長の奥様やご子息・・
元同僚にわたしのことが誰だか分るかしらと・・

とても気になっていたのも事実です・・

セレモニーホールの葬儀会場の正面に
亡くなった〇長の大きな遺影が飾られていたのを見て

在りし日の元気だった頃の姿がよみがえり・・
いつも冷静で大きな声を出されたこともなく
 
終始笑顔で人に接しておられた〇長の姿が
まざまざ思い出され・・・
 
滂沱の涙がほおを流れ落ちました・・・

隣にいる元同僚も同じ思いだったと思います・・・
ハンカチで涙をぬぐって二人で会場へ入りました・・・
 
受付へ行きご香典を出し
そのまま会場へ入ると入り口にご遺族が立って
お出迎えしてくださって・・・

80才に近い〇長の奥様がわたしに気づき近づいて
温かい柔らかい手でわたしの手を両手で握り・・・
 
「大空さん昔とちっとも変わっていないわ・・
出にくいのにわざわざよく来てくださいました・・
 
〇長もどんなに逢いたがっていたことか・・
これからはわたし一人になってしまいます・・
 
さみしいので是非遊びに来てね・・
待っていますから・・・」

とお声を掛けてくださり・・
お嬢様も
 
「大空さん・・母に会いに来てやってください・・
自転車に乗ってでも良いですから・・
 
ぜひ母に会いに来て
心の支えになってやってください・・」と言われ

こんなに長くご無沙汰してしまっていたのに・・
人の心はちっとも昔と変わってないと・・・・
わたしの方が胸が詰まってしまって・・・

「お世話になっていながら・・・
辞めてからご無沙汰ばかりで
一度もお訪ねさえ出来ませんでしたのに・・・
 
こんな形で急にお見送りすることになってしまって
ご無礼をお許しください・・・」

と・・・後は涙で言葉になりませんでした・・

当時一緒に勤めていた元同僚のうち5人が
お通夜葬儀とも参列できて

久々の再会を手を取り合って懐かしみ・・
共に滂沱の涙で霊柩車に手を振り

最後のお見送りすることが出来まして・・・
深く感謝しております・・・
 
哀しい永遠の別れ・・・・・

肉親以外でも仕事で毎日同じ時間の中で過ごし
苦楽をともにし・・・
 
20年間も一緒に春夏秋冬の季節を迎え・・・
巡り来る桜の季節にお別れすることになりました・・・

恩ある人との
別れは非常に辛いものでした・・・
 
義母の13回忌法要が終わって・・・
その1週間前に起きた哀しい別れを
つい・・・思い出してしまいました・・・
 

すみません・・・