弟はバカ正直過ぎる・・・

あれほど私たち姉妹に遺産分けはしないで・・
とお願いしてきたのに・・・

母親の残したわずかの預金は
今後の弟夫婦の老後資金にして・・と

あれほどみんなでお願いしてきたのに・・・
バカナ~・・・
本当に根が真面目すぎるんだから・・・
 
「お前らの言うとおりには出来ん。
それではわしの気が済まん・・・

母を看取った物の権利と言うことにして
最後はわしの思い通りにやらせてくれ・・・」
と言って

「現金で渡すといらんゆうて
おまえらがここに置いて帰る恐れがあるので・・

絶対に置いて帰らんと受け取ってくれる方法を
わしは思いついた・・・

お前らの預金口座に直接振り込むことにしたから
口座番号を教えてくれ・・・
 
これはわしからのお前らに対する
お願いでもあると同時に・・・

お母ちゃんからわしに対する
最後の頼み事でもあるんや・・・

お母ちゃんは元気なときに

自分が死んで残ったお金があったら
わしら夫婦に60%と残りの40%は
家を出た娘にやってくれと言われた・・・・

わしが選挙に出たときの軍資金も気前よく
出してくれたし・・・

二人の子どもの大学の学資を援助して
貰ったり・・・

二人の子どもの新築費用を援助して貰ったり・・

車を買ったり家電製品を買ったりするときは
いつも快く半額の援助をしてくれた・・・

わしが体を壊して半年間京都に入院してたときも
入院費用の援助をしてくれた・・・

わしらは今までお母ちゃんから
十分恩恵を受けて暮らしてきたんや・・・

それでも最後はお母ちゃんの遺言通り
残った預金の60%はわしらがもらうから・・・

お前らも最後の親孝行だと思って
お母ちゃんの遺言通りにしてほしい・・」

と言う弟の言葉にみんながうなだれ・・・

それがお母ちゃんの最後の頼みとあらば
叶えてあげようと・・・
 
めいめいの口座番号を教えましたわ・・・

父が亡くなって母はそれから
10年も生きてきましたので・・・

預金口座にはそんなに現金は残ってるはずが無いと
思っていましたが・・・

口座番号を教えた次の日には
弟の名前でしっかりと私の口座にまとまった額の
金が振り込まれていました・・・

相棒に教えると「余ったお金は倍にしてきてやる!」
と言い出しそうなので絶対に言うもんかと
黙っていましたら・・・

アホアホ登場!

突然近くに用事があったからと
娘の次女Kが来たので食事の支度に負われ・・・

今し方記帳してきたゆうちょ銀行の通帳を
慌ててテーブルの下に押しやり
台どころで用事を済ませていると・・・

家事は何一つ満足に出来ないくせに感だけは
人一倍冴えてる相棒・・・
 
私の挙動不審を見抜かれて・・・・
 
相棒が・・
「Kその通帳にいくら入金されてた?」

と尋ねると・・・
「うん!ワンハンドレッドや!」・・・???
 
 
めざといKは私が隠した通帳を
いち早く見つけて中身を確認してた様子・・・
 

・・・バカナ~
オジジにお金の話したらアカンやないか~!・・・
 
 
後でKは私に「オジジは英語はワカランと思うたから
金額は適当にごまかしといたよ!

あたし・・オジジの行動や考えを
そこまで見抜いてるのってすごいでしょ!」
 
 
よく言うよ~!
その事実を隠していたかったのに~・・・
 
うちの家は狐と狸の化かし合いか~・・・?
 
将来はKも証城寺 の狸囃子の一員だ~