先日母の満92歳の誕生日を祝う会に参加するため
実家に帰って来た・・



父が亡くなってから丸7年・・・
寂しがる母を何とか年に1回でも5人の子どもたち全員が集まって
母の誕生日を賑やかに祝おうと弟が考えだしたことである・・・



今年も・・母が92歳の誕生日を迎えるまで

5人の子どもが誰一人欠けずに



こうして母のそばへ集まってこれたのは幸運で
とてもありがたいことだと弟が言ったが・・



そうだわ・・
年子の妹の旦那が亡くなり・・・・

昨年は4女クンと甥っ子が癌になり



落ち着いたものの癌自体が身体から消えたわけじゃないので
定期的に二人共京大病院へ検診に通っている・・・



そうした中でこうして母とともに笑顔を交わせるありがたさ・・
万物に感謝したい思いが満ち溢れてきた・・・



最初に弟の長男の孫二人が

それぞれ用意した胸いっぱいの蘭の花や
アレンジフラワーを持って椅子に座ってる母に渡した・・



私と年子の妹が横で代わりに受け取って母と一緒に
スリーショット写真に収まった・・・



次はケーキを囲んでハッピーバースデーの歌を全員で歌った。
弟の孫娘たちとともに母も上手に歌っていた・・



ケーキにロウソクを立てるということになって・・
92本もロウソクを立てるとケーキが穴あきだらけで
食べるところがなくなるんと違う・・



と個人的にちょっぴり心配したが・・
みんな同じ考えらしくて・・・
ロウソクは92歳のうちの2本だけということになった・・



力のない母が果たしてロウソクを吹き消せるだろうかと

心配したが案外簡単に二吹きで消された・・



その後料理屋さんで取った料理や自宅で作った鉢物が並び
ビールや酎ハイを並べて宴会に入った・・・



保育所へ通ってる弟の二人の孫娘のうち

長女の方がひいお爺さんとひいお婆さんの紙芝居を作ったと言って



自分で勝手に物語を創作して発表しだした・・・
20分ぐらいたっても
話がなかなか終わらないので・・・



姉が「そろそろ終わりにしましょう。はい大変お上手でした・・
始まりのあとは終わりがあるもんねぇ・・次の人が控えてるからまたねぇ」

   


と半ば勝手に終了宣言してしまった・・
さすが姉上!・・・わたしにゃそんな真似は出来まへん・・・



その後孫娘次女が「アナと雪の女王」の主題歌を歌い・・
4女クンは面白い落語をやりだすし・・・
うちの家系はみんな喋りたいものばかり・・・



昔から喋りまくる大勢の女性陣に圧倒されて
弟がいつも自分には何も話させてくれないと・・
愚痴を言っていたのを思い出した・・・



今回も同じ・・・
正にその当時にタイムスリップをしたようだった・・



母は自分からは何も話さないけど
人の話を聞いてるのが嬉しそう・・・



姉が昔、自分が小さかった時のことを母に尋ねると
しっかりと事細かに覚えていて話しだす
母の記憶力の良さにはびっくりした・・・



母もその日は興奮したらしく・・・
無邪気な子供時代に夢の中で戻ったのか・・・



幼なじみの同級生の女の子二人の名前を
何度も呼んでいた・・・(その人達はすでに亡くなっているのに)



義妹と私達は5人布団を敷いて頭を並べて寝て
順に寝落ちするまで喋り続けた・・・



明け方目が覚めるとまた喋り・・・
年子の妹が私の布団の中へ入ってきて合流し・・



4女クンは姉の布団に入ってきて合流し・・・
話が尽きないのかと思うほど良く喋った・・



そうして二日間母と過ごし帰るときに年子の妹と一緒に
母に「ちょっと帰るけどまたすぐ来るからね・・」



と言ったら母が急に涙をポロポロこぼして
子供のように「帰らないでいてくれ~・・・えらい(辛いという意味)
えろうなってきた・・・帰らないで~・・・」
と泣き続けた・・・・・



姉が「私がもう一晩泊まってあとを見るから・・あんたら早う帰んな~
一眠りすると気が治まると思うから・・」
と言ってくれたので実家を後にした・・・



母に握手をして別れるとその手をいつまでも握って離してくれない
つらい経験があるので・・・



そういう悲しさを再び味合わせたくなくて・・
握手はしないで帰って来たけど・・・・・・心残りで・・・・



母の体重は20キロあるのだろうか・・・
骨と皮になりながらも我が子の名前と顔だけは忘れずに・・



それぞれの子供達の幼いころの記憶は誰よりも正確に
今も記憶している母・・・



母との別れの時のあの涙が・・・・

いつまでも瞼に焼き付いて離れない・・・