嫁いでからの親子の関わり合い方で
思い出したことがある・・・



実家は母が家計の全財産を握っていたから
私達嫁いだものをもてなしてくれる母は
とても気前がよく規模も大きかった・・・


私が二人の子連れで帰ると

テーブルいっぱいの手料理を並べてくれて


上肉を普段口にできないほど
お腹いっぱいに食べさせてくれた・・



帰るときには大酒飲みの相棒のために

ビール1ケース・・・お酒3升入り1箱・・・
お米30キロ入り一袋・・・



その他に海苔の詰め合わせとか

私の好きなクッキーとかコーヒー
子どもたちの喜ぶジュースやお菓子類など・・・・



車のトランクに

「まだ詰められるか?まだ入るやろ?」と言いながら
ギュウギュウに詰めて・・・



開いてる空間には作った野菜類を詰め込んでくれた母・・・



それに比べ父は・・・タバコも飲まなかったし・・
現金は出張とか買い物とか



必要な時しか母から渡されてなかったので・・・

父がやってくれたのは規模の小さい情けだった・・・



自分が山で採ってきた小さな松茸が3本だったり
山の沢で採れたきれいなわさびを新聞紙にくるんで
両手に一杯ぐらいの量だったり・・・



季節によってふきやわらびやぜんまいなどが

ヒモでからげて2,3束だったり・・



作った椎茸を饅頭箱に並べて入れてあったり
自分が川でとった鮎の冷凍にしたものが5.6匹だったり



とにかく全ての規模が小さかった・・・



私はまだ未熟で
父の真意を汲み取ることが出来なかったから


父が自分の体を張って嫁ぎ先へ戻る娘のために
お土産にたとえ少しでも珍しいものがあるといいと思って


帰る間際になると早朝から山や川を駆けずり回って
鮎や山菜を採ってきて持たせてくれたことに気づかず



お父ちゃんはみみっちい・・

なんだか少なすぎ~・・・とか思って

感謝の念が薄かったような気がする・・・・



今父の歳を追う年代になると・・
自然界のものはいつもそんなに容易に
たくさんは手に入るものではないと解り・・・



父にしっかりお礼を言えなかった

あの頃の未熟な自分を恥じる・・・




それなのに採れたものを全て

「少なくて悪いなぁ」・・・
と言いながら車のトランクに詰めてくれた



父の小さくなった体と
在りし日の笑顔を思い浮かべると
涙が溢れる・・・



父と母は・・その時その時を子供達に平等に
自分の出来る範囲の最高のことをしてくれてたのに・・・



当たり前すぎて気づかなかった私・・・
感謝しても感謝しても

追いつかない恩を受けている・・・



母が生きている内にどれだけの恩返しが出来るだろうか・・
それを思うとせつなくなる・・・



母の晩年が寂しくないように・・・・
せめて姉弟みんなで案を出し合って
出来るだけのことはしてあげたい・・・



父と母の子に生まれて本当に良かった・・・


そのことを一生感謝し続けたいと思います・・・・