ご近所にお金はあるけど息子さんご夫婦に迷惑を掛けたくないと

78歳で一人暮らしをされてるご老人がいる・・



病院通いや衣類や日用品の買い出しは
ひとりではとても行けそうになくて電話があると
手が空いてる人がみんなで助け合う習慣なっている・・



私もその中のひとりであるが
病院へ付き添うと終るまで待合室に付き添って
ご家族の代わりに先生から代理人としてお話をお聞きしたり



衣料品店へ付き添うとどの洋服が似合うか

手頃な品を選んであげたり・・



私も外出は気分転換になるので
自分の負担になるようなことは決してなかった・・



ある日・・衣料品店へ付き添った折に



「いつも車の送迎役を頼んでお世話になっている人には
ここで自分のほしい洋服を買って貰って
お礼をさせて貰ってるの・・



お願いだから大空さんにも
何かあなたが欲しい洋服を買わせて・・・」
と言われた・・・



「この町内は年寄り町内ですから困ったときはお互い様。
そのお気持だけで十分ですから気を遣わないで下さい・・・」
とお断りしても



「他の人にはお礼をしたのにあなたに断られると
私の気が収まらないからお願い、なにか買わせて・・」
といくら断っても引き下がってくれない・・・



どうすることもできない・・・



その時店頭に並んでいた
紺のTシャツが917円、税込みで990円というのが
目に入った・・・



これなら相手の負担も少ないし書道をするときには
墨のハネが洋服に飛び散っても安心して着られる・・・・
と思った私は・・・



「じゃ~これ買ってもらっていいですか ?
こんなのが1枚欲しかったんです」と言うと・・・



「あなたはなんでそんな安いものを選ぶの・・・
他の人には1万円ぐらいの品をお礼にさせてもらっているのに
それでは私の気持が収まらないわ・・・」



と言われたが・・・
これ以上の品はこちらが気が重くなる・・・



「私はこれが一番欲しかったので他に欲しいものは
な~んもありません・・・」
といって用事が済むと慌てて車に乗せて帰ってきた・・・



お年寄りは義理堅い・・・
ひとりで住むということは
こんなに周りの人に気を遣わねばならないのだろうか・・・



その方に買って頂いた紺のTシャツは・・・
私の中では1万円以上の価値があるように光って見えた・・



Mさんお気遣い申し訳ありませんでした・・・