私は、姉妹が多く、生まれつき自分のことは自分で

やると言う習慣が身についていた。

負けず嫌いのところも、あったのかもしれない。

目が見えて、手足がまともに動けば、出来ないことはない。

だって、目の不自由な人が人並み以上の努力を積み重ねられ

東大に合格したり、天才ピアニストになったりしているじゃないか。

努力と強靭な精神があれば、何だって一人で立ち向かえると

人生をいとも簡単に捉えていた。

 でも、そんな机上の空論は、ある日、もろくも崩れ去ってしまった。

ここで、詳しい病名は明かせないが、私は、突然の激痛で一歩も

歩けなくなり、緊急入院手術する羽目になってしまった。

 その手術は術後、絶対安静で、両脇を砂袋で固定し、寝返りも

身動きもとれず、食事もトイレもままならない。

まったく動けないのだ。

術と聞いて、見舞いに駆けつけてくれた姉と妹が、

着の身着のまま、自分の家庭も省みず病院に泊り込んで、

私の一切の介護をしてくれた。

今の自分がこうして元気で生きていられるのは、人の尊い

支えの上に成り立っていることに感謝している。

人の身の上には、絶対大丈夫という保障はないのだ。

私にとって最大の財産は、決してお金では買うことが

出来ない、強くて優しい姉妹の絆である。