ブンケイと牛若丸(6) | ウカの小説掲示板(仮)

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マターリして行ってね⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

今日は、始業式なので、午後からは授業がない。


今すぐにでも行動を起こしたかった俺達にとって、それは好都合だった。


だが、ここでひとつ問題が発生した。


刃物屋ってどこにあるんだ?


それに、よくよく考えてみると刃物屋って刀とかを取り扱っているのか?


つい勢いで発言してしまったが、なんだか、とっても微妙な気がする…。


しかし、だからといって刀について詳しい人物に心当たりがあるわけではない。


俺の考えをリョーマに再度伝えると、確かにそうだな、


と二人して悩むこととなった。


いきなり八方塞がりですか、やれやれ。


このまま考えていても何も浮かんできそうになかったので、


とりあえず俺達は牛若丸も連れて教室へ戻ることにした。


念のため、牛若丸には、


みんなの前では俺達に話しかけないように言ってあった。


万が一、声を聞かれでもしたらおかしなことになりかねないからだ。


そうでなくても牛若丸と話している様は、


傍目には独り言を言っているようにしか見えない。


頭がおかしい奴だ、なんて学校中に広まったら、


一瞬にして俺の学園生活は漆黒の闇と化すだろう。


そんな事態はまっぴらごめんだ。


教室へ着くと、ほとんどの生徒は部活に行ったか家に帰ったとみえて、


生徒はほとんど残っていなかった。


「あ、ブンケイ!どこ行ってたの?


 クラスルーム終わった途端に慌てて出て行っちゃって」


さえちゃんだ。まだクラスにいたみたいだ。


ふと視線を横に移すと、隣にいる女の子には見覚えがない。


そうだった。今日から新クラス、俺が知らない娘がいても、


何ら不思議ではないのである。


「あ、この娘はね、藤 葵ちゃん。


 私もさっき初めて話したんだけど、とってもいい娘だよ」


俺が不思議そうにその娘を見ていたせいだろう、さえちゃんが説明してくれた。


「はじめまして、葵ですっ。よろしくねっ。」


元気いっぱいに挨拶してくれた彼女だが、


俺は妙な胸騒ぎを感じたせいで、


どうも、という非常に無愛想な返事しか出来なかった。


一方俺の隣にいたリョーマは、よろしくだぴょん(べし)!!という


意味不明なギャグ交じりの挨拶を披露していた。


よくよく見ると、彼女の外見は、


背が低くて色白で童顔という、リョーマのどストライクなので、


彼が調子に乗るのも致し方ないといえる。


(いつも思うがこいつのこういう所はすごいと思う。


決して真似はしたくないが。)


リョーマの寒いギャグのおかげで、うまく俺のおざなりな挨拶がスルーされ、


気まずい雰囲気は避けることが出来たが、


数秒間、女の子二人の苦笑が俺達四人の間で虚しく


こだまする結果になった。


本当にやれやれだ。




教室の外で待機させている牛若丸をよそに、


それから俺達四人は他愛もない話で盛り上がった。


数時間の会話の中で分かったのは、葵ちゃんは


いたって普通の女の子であることだった。


偏差値は中の中、好きな男の子のタイプは優しい人、甘いものが大好物、


勉強は嫌いで部活のテニスが大好きである…などなど。


本当にどこにでもいそうな、かわいらしい女の子だ。


だが、俺は一つの確信めいたものを抱いていた。


この娘には…何かあると。


それが何かはまだ分からないが、


さっき感じた胸騒ぎは気のせいではない。


俺は自分の直感を信じていた。


「――…おかしいよねー。ん?どうしたの難しい顔して」


「いや…なんでもない」


「そんな事言わずに、私に言いなさいっ!!」


と、葵ちゃんが俺の目を覗き込んでくる。いやいや、近いって。


「そうだ、ブンケイ、葵ちゃんに見てもらったら?!」


名案を思いついた、とでもいうように得意気にさえちゃんが言う。


「見てもらうって何をだよ?」


「実は葵ちゃんにはね、こう見えて、不思議な力があるんだよねー?」


「は?」


「なんかね、霊感が強い家系らしくて、占いとかそういうのできるんだって!」


少しだけだけどっ、と横で葵ちゃんが補足する。霊感?不思議な力?


「マジで?」


「うん、一応ねっ。


 大々的な予言とか未来予知みたいなものは出来ないんだけど、


 どんな守護霊がついてるか、とか、あーこの人近いうちに悪いことが


 起こるんじゃないかなぁ、くらいならなんとなく分かるんだぁ」


「じゃあ、オレを見てよ!葵ちゃ――」


容赦なく放たれた右ストレートによって、彼は最後まで


言い終わらないうちに悶絶してしまった。


俺の拳もまだまだ衰えちゃいないようだな。


リョーマには悪いが、話の腰をこれ以上折られると迷惑なので、


黙っていてもらうことにした。


心配そうに見つめる二人だったが、こいつこういうの好きだから、と


説明すると、そうなんだー、と納得していた。


今後、リョーマにはMキャラになってもらうしかないな、うん。


「…で、さっきの話なんだけど、もしそれが本当ならちょっとやってもら


 えないかな?」


「いいよっ」


そう言って葵ちゃんは、目を閉じて、両手を俺の顔の前で広げ、かざすようにして


なにやら集中し始めた。


さえちゃんも緊張した面持ちで、じっと俺の顔を見つめている。


そんな風に見られると、とても恥ずかしいんですけど。


「…んっ!!」


かざし始めて数分が経過した頃、葵ちゃんがゆっくりと目を開けた。


どうやら終わったらしい。


「どう?」


「えーっとぉ…分かんないっ」


「は?」


「だからー分からないんだよぉ。こんなこと今までなかったのになぁ…」


と、なにやらぶつぶつと言いながら、


自分の手のひらを訝る様に眺めている。


さえちゃんも、間近で超能力が見れることに期待していたみたいだが、


予想だにしなかった結果に、がっくりと肩を落としているようだ。


別に俺の責任ではないのだけれど、少し申し訳なくなる。


そもそも、俺の未来は近未来においてさえ予測がつかないほど、


混沌としているのか。どんな未来なんだ、俺の未来。


「大丈夫、信じてないわけじゃないから、また調子いい時にでも


やってくれればいいよ」


半分嘘で、半分本当。


「うーん。見えなかったっていうか…


 何かに邪魔されてうまく見えなかったって感じかなぁ…。


 うまく言えないけどっ」


何かに邪魔されて…?


!!


俺は、廊下に行き、瞑想中だった牛若丸を叩き起こし、教室へ連れてきた。


何事だ、と不機嫌そうに文句を言う牛若丸の戯言は軽く無視しておいた。


許せ、牛若。


俺の勘が間違っていなければ――


「ひゃっ!!誰、その人っ?!」


どうやら俺の勘は的中したらしい。







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