2017/10/19(木)19:00
正面3列9番10番
同行した彼は、15年前後前に一度、野村萬斎さんの舞台を、そして一年前にBunkamuraで萬斎さんの三番叟を観ています。
■舟渡聟
初見。
お腹抱えるほどではないけれど、ひとつひとつの仕草が可笑しくてニヤニヤ笑えました。
彼は、始め船頭が野村万作さんだと分からなかったようで、でも、演技に深みや味わいがあるから「きっと名のある演者さんなのだろう」と思っていたそう。
見る目あるじゃないか!
萬斎さんは怒るにつれてピリリと美しいお顔になられていました。彼も、進むにつれて萬斎さんがキリッとされてきた、と同じような感想を持っていました。
ま~とにかく万作さんの上手さを彼が絶賛。
また、ピタリと息の合う瞬間、瞬間を見逃していなかったようで。やっぱり見る目あるじゃないか!
私は、これまで拝見した万作さんの舞台の中で(そんなにたくさん拝見しているわけではありませんが。)、最も写実的に感じました。
■素囃子 神楽
良かったです~。
序盤の穏やかなところは目を閉じて、後半の激しいところは囃子方さんの勢いを見届けるがごとく目を開いて拝聴。
目を閉じて聴く囃子は、別の世界にいるかのような感覚になります。
彼は全編ガン見しながら聴いたようで、特に笛の藤田六郎兵衛さんが今にも倒れてしまうのではないかと思うほど凄かったと。また、亀井広忠さんの身体が傾いていたそうで、心配してました。
やっぱり囃子は最高だなーと恍惚としながら、いよいよ新作へ。
■なごりが原
父方ルーツが、熊本は阿蘇の私。
豊かな自然に恵まれたなごりが原の風景は、目蓋に浮かべやすかったです。
萬斎さんの登場シーンは印象的。
夢うつつな世界を感じさせる演出はさすが秀逸で大変に美しかったです。
笛の音に笛磨呂がうっとりする場面(萬斎さんの型と笛の音が調和していた。)や、眷属達が灯籠を持って登場して以降の場面など。
ただ…、前半の眷族達が登場するまでが長い…!私があまり好まない、説明的な台詞の応酬も多くて、少し飽きを感じざるを得ませんでした。
狐はもっと獣らしい自由さがあると、原っぱっぽさが出て熊本の豊かな景色が浮かびやすいかななんて生意気なことも思いました。
私はまた、留めは舞台の中央で行われるパターンしか観たことがないので、今回それが舞台向かって左にかなり寄っていたのは、可愛らしい獣の自由さを表現したのかなと想像し、としたら、眷族の後方にしゃがんでいる時ももっと崩れてもいいのでは…と…。なんか、人っぽさが強いように私には感じられたのでした。よく喋るからかも知れませんが。笑
笛磨呂の人間苦についての語りで、この熊本を舞台にした作品を父に観せたかったと思いました。憂き目を沢山経験しながら、最期まで清い人の尊厳を保った父は、きっと感じるものがあったろうと思うから。
萬斎さんの櫛稲田媛版三番叟鈴の段は問答無用に美しかったです。
まさか鈴の段が入ってくると思わなかったのでかなりなサプライズでニヤニヤしてしまいました。
これは、熊本の方も大喜びしたんじゃないかなあ。
鎮魂の舞いを喜ばれたことでしょう。
彼の感想は、やはり前半が長い、狐がおじさんでちょっと厳しかった、狐が袂からなかなかすすきを出せなくて(←失敗…?)凄く動揺していたのが、身近に感じられた、ストーリーが分からなくなってくると厳しい、しかし舞いはとても綺麗だった、でした。
萬斎さんの笛を初めて聴けるかも!と思っていたのですが、聴けなくてちょっと残念でした。
また、解説がなかったのも残念だったなあ…。
贅沢言い過ぎですね。




