父の三回忌が近付いてきて、父のことを思い出したり恋しくなることが多くなりました。母も妹もそう言っています。私達、たぶん最近それぞれ泣いてばかり。


ドライシャンプーをしてあげたり、カサつきがちだった痩せた足にクリームを塗って
あげたり。「気持ち良いよ」とか「ありがとう」とかそんなに口に出すタイプではなかったけれど、そういうことをさせてくれたこと自体によって伝わってくるものがありました。

死期を悟らせることはしたくなかったから、モルヒネをしてもなお「ありがとう」など私は言わなかったけれど、きっと大切なことは伝わっている、という確信がありましたから後悔はしていません。

意識がある時はあまり手を握らせたりしてくれなかったのですが(恥ずかしいのと、いかにも死にゆく人というようで嫌だったんだと思います。)、最期の日は手を握っていました。
この父の手の感触や温もりを絶対忘れたくないと思ったので、必死に覚えておこうとしていました。
それでも、時間が経ったら忘れちゃうのかな…と思っていたのですが、忘れないものですね。即座にあの感触が甦ってきます。
そしてまた、この先も忘れないよう、反芻するようにあの時の手の携え方を再現してみたりします。

父に話したいことが沢山あるのですが、結構下らないことばかりで。いつかまた会える時には忘れてしまっていそうなくらい下らないことばかり。だから、いま話したいんだけどな。

あと、私は昔から父の好みそうなことを選んでやってきたようなところが多分にあります。狂言のことだって、きっと父と話が合う。昔、能面を打つ職人になればよかった、なんて言っていましたし。
たぶん、歳を重ねる毎に更に父と話が合いそうな自分になっていく気がします。年齢が父に近付いていくから。嫌になっちゃうな。

まあ、いいのかな。



三回忌を終えたら少しは楽になるものならば、早く終えたいような気持ちです。