全国通訳案内士の資格を取ったものの、使うことなく何年も経過。
時間ができたので、通訳案内士として仕事をすることを
考えてみたら……。
試験で問われないことが、いっぱい。
試験では主に日本の文化、歴史、地理と高い語学力を問われると思いますが、
外国人観光客は必ずしもガイドにこれらの深い知識を披露して欲しいとは
思っていない気がします。
今週、多くの外国人観光客を目にする機会がありました。
イタリア語と中国語と英語の通訳ガイドさん達も。
観光地に連れて行ったら、そこでフリーになり、
観光客の帰りをじっと待っていたり。
18人のツアー客の前で説明していても、聞いているのは前にいる
数人だけだったり。
ガイドさんがいない観光客を見ていると、お困り事は移動。
バスの外側に行先が英語で掲示されていない。
バスに間違えて乗ってしまった。
待てど暮らせどバスは来ない。(だって、週末しか走ってないから)
よく見ると英語の案内がある場合もあるんですよ。
だけど、誤解を招いてしまう書き方の時もある。
日本語発想で曖昧に英語を書いても彼らは理解できません。
外国人観光客からすれば、観光地でガイドから深い知識に基づく説明を
延々と聞かされるよりも、できるだけ時間も体力もロスしないように
快適に案内して回って欲しい。優先順位は、そこ。
また、外国人に説明する時に、混乱させないためにできるだけ日本語の固有名詞を
避けると聞きました。
ガイドによっては、徳川家康と呼ばないでTokugawa firstと呼ぶ。
細かい年度は言わないで○○世紀という。
それなら、鎌倉時代や江戸時代なんて、言わない方がよくないか?
この国家試験ができた時代は、まだごく一部の富裕層、インテリ層しか
来日しなかっただろうけれど、今は、誰でも気軽に日本に来れる。
知識偏重だと、ウザがられそうです。
国家が通訳案内士に求める像と外国人観光客が求める像に乖離が
ある気がします。