歌舞伎 京鹿子娘二人道成寺 その1 | 京都を遊びつくすブログ

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三条にあるムービックスというところで、シネマ歌舞伎を観てきました。

 

シネマ歌舞伎とは、歌舞伎をスクリーンでみるものです。

 

『京鹿子娘二人道成寺』を観に行ってきました。

 

歌舞伎というものは、変形に変形を重ねて原型がどんなものであるかわからなくなってしまうような

 

複雑さ、あるいは面白さを持っていると思いました。

 

例えば、この『京鹿子娘二人道成寺』の原型は、紀州にある道成寺というお寺に伝わる、

 

安珍・清姫伝説に取材した能楽作品を元にしたもので、

 

歌舞伎では『京鹿子娘道成寺』という題目のものがまずあって、

 

それの変形として『京鹿子娘二人道成寺』があるということです。
 

元々の安珍・清姫伝説というのは、

 

思いを寄せた僧の安珍に裏切られた、

 

少女の清姫が激怒のあまり蛇に変化し、

 

道成寺で鐘ごと安珍を焼き殺すというものです。

 

歌舞伎では、この話のアナザーストーリーみたいな感じなんだと思います。

 

その後、みたいな。

 

清姫の化身だった大蛇に鐘を焼かれた道成寺は、

 

長らく女人禁制となっていました。

 

以来鐘がなかったが、ようやく鐘が奉納されることとなり、

 

その供養が行われることになりました。

 

そこに、花子という美しい女がやってきました。

 

聞けば白拍子だとのこと。

 

鐘の供養があると聞いたので拝ませてほしいと。

 

所化(修行中の若い僧)は白拍子の美しさに、

 

舞を舞うことを条件として烏帽子を渡し入山を許してしまいます。

 

花子は舞いながら次第に鐘に近づきます。

 

所化たちは花子が実は清姫の化身だったことに気づくが時遅く、

 

とうとう清姫は鐘の中に飛び込みます。



 

とまぁドラマティックな背景があるはずなのですが、

 

歌舞伎になってしまうと、内容のほとんどが、白拍子の舞で占められています。

 

演者の踊りそのものを鑑賞するのが、この作品の要点という話もあるほどです。
 

私は古典芸能をみるときはいつも色彩をみることが常となっていて、

 

というかそこを見るのが好きなだけなんですけれども、

 

能とは違い、色彩が何かを象徴させることに用いるのではなく、

 

美しさを極限まで表現する、というところに焦点をあてているのかなという印象でした。

 

また、お着物には五つ紋がほどこしてあるのですが、その紋は、

 

正式な紋ではなく、ただの白く塗りつぶされた「まる」なんですね。

 

ちょっと面白かったですw

 

屋号の定紋を使わないんだ、と思いました。

 

また、最後に白拍子が鬼となるシーンがあるのですが、

 

髪を振りほどき、真っ赤なお着物を着ます。

 

この赤は象徴的だなと思いました。

 

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