遊女の色彩 | 京都を遊びつくすブログ

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江戸時代には、京の島原、大阪の新町、江戸の吉原に、太夫がいました。

 

そこは大名から公家が集まる文化的サロンでもありました。

 

太夫は、諸事芸事が万能のみならず東西一流の品々を身に纏っていました。

 

ここで私は、東京国立博物館に所蔵されている、江戸時代につくられた

 

黒紅地枝垂桜飛鳥模様唐織について書いていきます。

 

ながったらしい名前ですね。

 

でもこの時代の織物は大抵こんな感じです。

 

これは、紅鬱金(べにうこん)と黄唐茶(きからちゃ)の配色だと考えられます。


世界が夜の祇園の夢なら

 

紅鬱金は、井原西鶴の『好色一代男』に

 

その暮れ方に、色つくりたる女、はだには紅うこんのきぬ物

 

と出てくる(らしいです)ように、艶めいた色なのだそうです。

 

黄味の淡紅色です。

 

下染を鬱金で濃い目に染め、その上に本紅または蘇芳の赤色を淡くかけて、

 

黄色に赤色が覆ったような厚みのある鮮やかな色に仕上げるそうです。

 

ちなみに蘇芳色とは黒味を帯びた赤色です。

 

えぇ、どこぞのアニメキャラクターの髪の色ですよ。

 

黄唐茶は、江戸初期のひな型の小袖地色に見られたそうです。

 

これまた井原西鶴の

 

(私彼を全然意識してないですよ、手元にある資料にそう書いてあるだけですから!!)

 

『好色一代女』に

 

黄唐茶に刻み稲妻の中形、身狭に仕立て

 

と見えるなど江戸時代の前期から中期に流行ったそうです。

 

最後に、黒紅地枝垂桜飛鳥模様唐織とう名前を見ていきましょう。

 

…黒紅?


世界が夜の祇園の夢なら

これです。

 

ちょっと黒紅の説明に移りますww

 

下地に紅染めをしてその上にびんろうじで黒味をかけたものを指すそうです。

 

紅染の代用として蘇芳を用いる場合もあります。

 

はいこれが黒紅です。

 

黒紅の下地に、しだれ桜と飛鳥模様の入った唐織の着物、ということですね。

 

ちなみに唐織とは、元は中国から渡来した織物のことで、

 

16世紀頃に中国の技法を取り入れて西陣で織り始められたものも含めて、

 

豪華絢爛な色模様を織り出した絹織物のことをいうそうです。


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