2012・2013年度 法政大学法学部 鈴木佑司ゼミナール -4ページ目

5月15日火曜日の授業後記です。

扱った範囲は、p.6 15行目「But in the end~」~p.8 6行目「an explosive situation.」です。

今回の授業で学んだ中で、トルコのEU加盟の是非についてまとめました。



トルコは現在、EU(European Union/欧州連合)の28ヶ国目の加盟国として申請中です。
しかし、トルコがEUに加盟する上で様々な問題があります。その中でも主要な3点を挙げます。


1:宗教の違いとそれに基づく考え方の相違

EUは、人間の尊厳・自由・民主主義・平等・法の支配・少数民族に属する人々の権利まで含む人権の尊重といった価値観の上に成り立っています。
トルコにおいては様々な宗教がありますが、イスラム教が主要な勢力と言えます。
現在の欧州で、イスラム教はキリスト教に次ぐ第2の宗教です。トルコのEU加盟は、二つの大きな勢力である互いのアイデンティティを理解しあうことによって、宗教的・文化的相違を調和させることができるます。
しかし、イスラム社会と民主主義が両立できるのかが問題視されています。フランスをはじめとする自由主義国家には、宗教上様々な制約があるイスラム教国家を受け入れることに、否定的な意見もあるようです。


2:人口や国土において大国

国連の予測によると、トルコの人口は2050年までに約1億人に達し、EUに加盟した場合に最大になると予測されています。これに対し、現在のEU加盟国で最も人口の多いドイツは、7900万と想定されています。
このように、トルコがEUに加盟することになると、たちまちEU最大の人口を持つ国になります。つまり、EU議会で最も多くの議員を選出する可能性があるということです。EU理事会の多数決においても、人口数を考慮される場合、ドイツやイギリスやフランス、イタリアに並んだ持票数を与えられると考えられます。


3:経済力の弱さに伴う大量の移民

トルコ国民の平均所得は、EU加盟国民平均の13%に過ぎず、物価水準を考慮した購買力も23%に過ぎないとされています。
また、トルコの主要産業である農業は競争力に劣り、EU加盟が実現した場合、EUの農業支援費用が膨らむことでEUへ大きな負担となると考えられます。
EU加盟国間で国境が開かれることで、豊かな生活を求めて大量のトルコ人がヨーロッパ中に移民することが予測されます。ある分析では、その数は400万にも上ると言われています。


調べてみると、上記以外にもたくさんの問題が挙がっていて、とても興味深いテーマでした。

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次回からはサブゼミでの発表が始まります!
前もってサブゼミごとにしっかり準備しておきましょう(^-^)/


【参考】
『トルコのEU加盟問題』http://eu-info.jp/law/en6.html#1
『トルコのEU加盟に関するQ&A』http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj1389.php


文責:林

遅くなりました。
5月8日火曜日の授業後記です。

扱った範囲は、p.4 14行目「It has turned from~」~p.6 13行目「~dies down.」です。

今回の授業で特に重点的に学んだ2点をまとめました。



1、『アメリカ中心的』と『アメリカ的視点』の違いとは何か。

本文p.4 18行目「As you read this book, it will seem that it is American-centric, written from an American point of view.」という文があり、その中の『American-centric(アメリカ中心的)』と『American point of view(アメリカ的視点)』の違いは何だろうか、という議論になりました。

『アメリカ中心的』とは、アメリカ自身を物事の中心であると定義して、世の中の物事を解釈することです。この場合、アメリカ自身の価値判断で物事を見るということを意味します。

『アメリカ的視点』とは、ある対象を見る時の立脚点であり、価値があるかどうかは別とした思想のことです。つまり、アメリカが置かれた状況をふまえて考えた、アメリカの思想を意味します。

このような細かな単語の使い分けにも注意して読んでいきたいです。


2、9.11後のアメリカのイスラム世界への侵略の意味とは。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロは、世界でもっとも強大な力を持つアメリカを、イスラム世界が戦争に引きずり込み、イスラム教徒が暴動を起こすことで、アメリカの弱さを示すために起こりました。
これによってアメリカは報復措置として、イスラム世界を侵略しました。
しかし、侵略の目標は勝利ではなく、勝利が何を意味するさえはっきりしていませんでした。
アメリカが目標としたのは、イスラム世界を混乱させて互いに戦わせることで、イスラム帝国の誕生を阻止することでした。

ここまでが本文のまとめです。
このように、アメリカのイスラム世界への侵略は、イスラム社会がまとまって反アメリカのイスラム帝国が出来てしまわないようにするためです。
「目的のためならどんな手段も正当化する」という、マキャベリズムも含んでいると考えられます。



以上が今回の授業で特に注目した箇所です。


次回からはサブゼミの活動も始まります。
より深く議論できればと思います。


文責:林

遅くなりました。
4月24日の授業後記です。

進んだ範囲としてはp.2 10行目~p.4 14 行目 「~ economic surge.」まで読みました。

ゴールデンウィーク後、サブゼミも始まり、ようやく本格的にゼミの活動が始まると言えそうです。
ゼミ生の皆さん、これから忙しくなりますが頑張っていきましょう!


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普段は授業の模様を書いていますが、今回の授業後記では今授業で扱っている「THE NEXT 100 YEARS -A FORECAST for the 21st CENTURY」の著者、George Friedmanについての興味深いブログと資料を見つけたのでそのことについていくつか紹介したいと思います。


彼は、21世紀を意外にもアメリカの夜明けとして今後ますますアメリカは台頭していくと本著で唱えています。

フリードマンは、その理由の一つとしてアメリカの海軍力に注目しています。
彼曰く、「海路の確保はかつてないぐらい重要だ。米国は二つの大洋に面しており、世界の主要海路を押さえている強みがある。エネルギー依存が一層強まった現代こそ、海洋支配がモノを言う。日本が1941年に経験したとおり、海路を失うと国は動けなくなる。全世界の海軍が東になっても、艦艇数、潜水艦数で圧倒的な米海軍の足元にも及ばない。」
また、「冷戦が終わり、米軍の優位性は逆に高まったと見ている米国はどこにでも軍を派遣することができる。欧州勢、日本は米国のように軍隊を世界各国に送る能力がない。米国は国内で住む自国民の生活水準を下げることなく、それができる。」と東洋経済のインタビューで応えています。


また、21 世紀のアメリカの挑戦者を中国ではなく、意外にも日本だとフリードマンは断言しています。
その理由も、中国の現在の発展はバブル経済の日本と似ていると踏まえた上で、東洋経済のインタビューで日本についてこう応えてました。

「日本は曲がりなりにも第二の経済大国だ。中国がうらやむ海軍力もある。だからこそ憲法9条で自制している。軍事カは英国以上で、アジアでは圧倒的な力を誇る。日本は経済力と軍事力のパランスがとれており、貧富の格差も小さい。不良債権問題を目の当たりにした90年代には低成長を受け入れ、雇用確保を優先する政策に転換した。
明治維新前後の日本には何も技術がなかったのに、日清戦争、日露戦争と日本は大国に勝利した。30年代は軍事国家、戦後は平和国家として名を売った。85年は超大国だったのに、95年はダメな国と失笑を買った。
波乱万丈の日本史には2本の底流がある。一つが自国像にまったく自信のない国民性。二つ目が、低成長を受け入れるなど環境変化に対する高い受容力・対応力だ。
日本がかつてない危機にあるのは事実で、新政権の動きに注目している。現状維持が不可能となった負債が積み上がり、国家主導の管理経済の色彩が強まったし、高成長はもうない。朝鮮半島問題も抱え、歴史と向き合わざるをえない。移民を受け入れるお国柄でもない。
日本の経済構造の問題点は、企業も国家も活動のすべてが負債中心に回っていることだ。企業秦経営の場合だと、「借金さえ返せばよい」という姿勢で、「借金を返した後の価値をどうやって大きくするのか」という切り口がない。要するに、「ディシプリン」(規律)がないのだ。
だが、解は歴史にある。20年代のように、日本企業がどんどん海外進出し、国際化することで人口減などの問題に対応するだろう。日本は温暖化問題も逆手に取る。宇宙でのソーラーエナジーなど新技術に注目している。」

他にも注目すべき指摘はいくつかありましたが、それはまた今後改めて取り上げたいと思います。


日本人からしてみれば少しばかり嬉しい気がしますが、僕個人的には信じがたい予測のような気がします。
しかし国外問わず日本に対する悲観論が横行するなか、本著の予測が斬新であることは間違いなく、筆者がそれを唱えるにいたった根拠をしっかりと捉えて、自分たちの視野を広げていきたいと思います。

(文責: 山下)

参考資料
・<「2020年の世界と日本」2020年の世界地図>【東洋経済2010.02.06】
・Ddogのプログレシッグな日々
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/31598505.html