今まで使用していたiPhone SE 2のLightning端子が接触しなくなり、ワイヤレス充電しかできなくなったので、買い替えることにしました。
4年間使いましたが、SEはとにかくバッテリーの持ちが悪くて不満爆発寸前でした。
新機種はiPhone 16 Pro。Proグレードのカメラは、自分の生活には不要なのですが、コンサートやレース観戦などに行く際に、SEではまともに写真を撮れないとか、バッテリーが持たないとかいう理由だけのために、Proにしました。
注文の翌日にApple StoreでiPhoneを受け取り、さっそくセットアップ。2台のiPhoneを並べれば、自動的に引き継ぎ完了…するはずが、esimを引き継げず。つまり電話番号が無い状態になってしまいました。
Google FiアプリにSMS認証でログインできなくなり、Google Fiアプリからesimをアクティベートできないという、鶏卵問題状態に陥ってしまいました。
結局この問題は、パソコンからGoogleアカウントでバックアップコードを生成し、バックアップコードでGoogle Fiアプリにログインしてから、esimをアクティベートすることで回避できました。ここに至るまで随分とすったもんだしていました。
以下はそのすったもんだの詳細です。上記の内容を細かく言っているだけなので、何が起きたのかを詳しく知りたい人だけが読んでください。
そもそも事の発端は、iPhone間でのesimの引継ぎに失敗したことから始まりました。最初は順調に移行を進めていましたが、esimの引継ぎ画面で、自分の電話番号がグレー表示されていて選べなくなっています。
Google Fiは、通常のキャリアとはちょっと違うのでしょうか? 後で改めてesimを新iPhoneにインストールすればいいかと思い、ここはとりあえずスキップしました。
データの移行が完了すると、旧iPhoneにメッセージが。初期化してよい、というので、初期化しました。今にして思えばこれが間違いでした。新iPhoneの設定が完全に終わるまで、初期化せずに置いておけば、こんな苦労は不要だったはずでした。
新iPhoneではアプリのインストールが止まっています。Apple Storeにログインしようとすると、SMS認証を求められました。ここでようやく、とんでもないことをしてしまったことに気付きました。esimが設定できないので、全てのSMS認証ができなくなってしまったのです。
色々と試しましたが、どうにもならないことがわかりましたので、パソコンからGoogle Fiのチャットサポート窓口に助けを求めました。
サポートの人が送ってくれたリンクからesimのQRコードを表示し、これをiPhoneのカメラで読ませることに成功。WiFiをoffにしても電波が立っており、esimのインストールに成功したようです。お礼を言ってチャットを終了しました。
やれやれ、これでSMS認証ができる…と思ったのですが、iPhoneの設定でモバイル通信のところに出てくるsim一覧に、電話番号が表示されていません。嫌な予感がします。とりあえず手動で電話番号を入れてみました。
Google Fiのesimを使うには、esimをインストールした後に、Google Fiのアプリからアクティベーションしないといけない、ということが分かりました。
ママのアカウントでGoogle Fiのアプリをインストールし、これにログインしようとすると、手持ちのKindle Fireに認証コードが送信されます。Kindle Fireを春先に買ってからというもの、Googleはこれを2要素認証のメインのデバイスと認識するようになったようです。しかしKinde Fireには認証コードが届きません。何度トライしてもダメです。
Kinde Fire経由での認証は、過去に何度もやったことがあり、今回が初めてではありません。しかしなぜか、Kinde Fire経由での認証が全くできなくなってしまいました。
ちなみにYouTubeアプリから認証する手段もあるのですが、これはどのデバイスのYouTubuでもよいというわけではなく、旧iPhone上のYouTubeアプリに限定されていました。
そして再びパソコンから、チャットサポートに助けを求めました。しかし色々やっても解決できず。サポートの人の結論としては、Googleアカウントのリカバリーを実行することで、2要素認証を解除するしかないとのことでした。
ていうか、Googleアカウントの2要素認証って、解除できるんですね。
2要素認証は、Googleにログインした状態のパソコンから、アカウントのリカバリーを要求し、48時間待つと解除されます。
リカバリーを要求するとemailに通知が来るので、もしハッカーにリカバリーを悪用された場合は、48時間以内に気付けばキャンセルできます。意図はわかりますが、48時間はiPhoneを使えないということです。これにはがっかり。
他にも何かできないと色々ともがく過程で、うっかりリカバリーを再度実行。また通知が届きましたが、今度は24時間後と表示されています。やったね1日短くなった! もう一回リカバリーすれば、もっと短くなるのでしょうか? 余計なことをしてリカバリーできなくなったら嫌なので、これ以上は我慢しておきます。
1日仕事を終え、次の日の夜。24時間が経過しました。果たしてGoogleアカウントはリカバリーされているでしょうか。
夜の10時を回り、24時間を経過しましたが、gmailには何の通知も届いていません。試しにGoogle Fiアプリにログインしましたが、やはりKinde Fireに認証コードを送ることしかできません。そして相変わらず、Kinde Fireは認証コードを表示しません。
Kinde Fireのブラウザからgmailにログインしてみると、画面右上にオレンジ色のボタンが現れました。リカバリーを開始できそうです。
てっきりメールで届くのかと思っていました。なんだ~、ボタンが出るなら、早く言ってよ。しかしクリックすると、リンク切れですみたいな表示が出るだけです。
何これ。Google Fiアプリには、相変わらずログインできません。どうやったらまた出せるのでしょうか、あのオレンジ色のボタン。
ノートPCからgmailにログインすると、あのオレンジ色のボタンが出ました。しかしやはり、クリックするとリンク切れです。
最初にリカバリーを要求した時に、あとどのくらいでリカバリーされるのか、待ち時間を表示してくれるウェブページへのリンクが付いています。1度目のリカバリーは48時間後、2度目のリカバリーは24時間後でした。
2度目のリカバリーのリンクは、既にリンク切れになっています。あのオレンジ色のボタンをクリックした時に出るエラーと同じです。
1度目のリカバリーのリンクはまだ生きています。既に24時間が経過しており、あともう24時間待てばリカバリーされるそうです。
結局は、48時間待つしかなかったということなのでしょうか? 謎が多すぎます。
さらに24時間待つしかないのでしょうか? 諦め悪く、色々といじり回した結果、Googleアカウントのバックアップコードを作成することができました。
バックアップコードがあれば復旧できるということは、今回色々試す過程で気づいていましたが、SMS認証ができるうちに事前に取得しておかないと駄目だと思い込んでいました。
すでにログインできているパソコンから、バックアップコードを作成できました。
そしてGoogle Fiアプリでログインしようとすると、これまでにはなかった、バックアップコードからログインする選択肢が! バックアップコードを生成したことで、選択できるようになったようです。
そして無事にバックアップコードでの認証を完了し、Google Fiアプリにログインできました。速攻でesimをアクティベートし、ようやくSMSを受信できるようになりました。
つまり最初から、バックアップコードで認証していれば、24時間なんか待つ必要がなかったのです。とんだ回り道をしてしまいました。
1日ぶりにiPhoneを使えるようになり、一安心。さらに次の夜に、googleからの1通のメールが。改めてGoogleアカウントにパスワードでログインすると…なんとリカバリーが実行されました。
結局、リカバリーに関する結論としては、やはり48時間を待つ必要があったことと、リカバリー解除の連絡はやはりemailで届くということと、あのオレンジ色のボタンは結局はリカバリーに使っておらず謎だったということでした。
フィッシング詐欺やハッキングの高度化、流出問題の頻発などで、年々厳しくなるセキュリティ。2要素認証は時代の要請ですが、スマホの買い替えたりするなどの今回のような場合のハードルはかなり高くなりました。
iCloudが出たばかりの頃は、クラウド経由でiPhoneのデータ移行が簡単に完了し、アップルは凄いと感激しきりでした。しかし2要素認証のせいで再び面倒になりました。
もし今回のトラブルがなかったとしても、ApplePayのカード登録は全て認証しなおし、銀行やカードのアプリの生体認証は登録し直しで、その際にもまた2要素認証が求められ、以前のように自動で全部新機種に移行してくれる手軽さは完全に失われてしまいました。