【冷凍食品に農薬】混入マラチオンは低い毒性 コロッケ60個で子供発症

アクリフーズの群馬工場で生産され、自主回収される冷凍食品
今回は子供が吐き気を催した例が報告されたが、マラチオンという農薬はどれだけの毒性があるのか,おRMT。
立川涼・愛媛大名誉教授(環境化学)は「比較的安全な農薬といわれるが、神経毒があるので、大量に摂取したら身体のしびれやまひが出てくる。最悪の場合、死に至る可能性もあるが、今回の農薬の濃度では、大量に摂取する可能性は低い」と説明する。
マラチオンは低毒性の有機リン系の殺虫剤で、イネや野菜、花など害虫駆除に幅広く使用されている。見た目は黄色っぽい色をしており、水にほとんど溶けない。酸やアルカリで加水分解されるほか、熱を加えることでも分解される。マルハニチロは毒性の発生レベルを「子供(体重20キロ)でもコロッケ(22グラム)を一度に60個食べないと発症しない」としている。
今回は基準値に比べて150万倍という高濃度の数値が検出されたが、矢野俊博・石川県立大教授(食品管理学)は「日本の残留農薬基準はかなり厳しく設定されており、150万倍といっても命にかかわる量ではない。しかし、仮に食べて気分が悪くなったら、病院で治療を受けた方がよい」と勧めている。