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トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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沢渡で感じた新しい「風」
11月3日・木曜日】
 「ウリミレ[私たちの未来]フェスタ~新しい夢と希望が始まる日」とのキャッチフレーズに引かれ、沢渡 の神奈川朝鮮中高級学校に行った。
フェスタは、誇らしい七〇年・神奈川民族教育七〇年のキセキ、一〇〇年に向けて・神奈川民族教育のこれから、羽ばたけ! 私たちの民族教育の三部構成。
一部は、県下の幼児、児童、生徒と地元同胞による歌と踊りの公演。タイトルのカタカナの「キセキ」は、七〇年の軌跡と奇跡をかけているようだ。


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幼稚園生による「万豊年」には正直参った。かわいい。この場にいたみんなが親であり、祖父母になった気分だ。この子たちを見るだけで、この地での七〇年の軌跡・奇跡、そして三〇年後に迎えるであろう、一〇〇周年が思い描かれた。
一五分の休憩をはさんで、二部構成のシンポジウムが始まった。
 前段は「教育プラン研究部会」からの提言。金燦旭教務部長、同胞IT企業家の朴慶七氏、朝大の康明逸助教の三人の発言は見事、観衆の心を鷲づかみにした。休憩を挟んだので、子どもや孫の公演が終わると、運動場で一杯飲みながら歓談と思っていたが、体育館の左右、後方は立ち見だ。隣に座った幼児を抱いたオモニもまんじりともせず、聞き入っていた。
舞台正面に映し出されるパネルに沿って、「神奈川民族教育のこれから」が原稿を見ることもなく、熱く語られた。
学父母に対するアンケートに基づき「学校満足度」を示す棒グラフが映し出された。様々な活動・多様な能力と、アイデンティティの育成と、基礎学力の定着・向上心がとても満足・やや満足を合わせると八割を超えている。その一方、進路指導については、とても満足・やや満足に比べ、不満・少し不満が上回っている。
保護者たちは「進路選択で重視する事柄」として、「精神的な自立と生きがい」、「経済的に安定した生活」を挙げている。


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三人は、こうした実情を踏まえ、「民族教育で求められているニーズ」、「今後求められるスキル」、「民族教育の特徴を再構築」、「アイデンティ教育で花開くウリハッセンの二一世紀型能力」、「教育理念」と、話を進め、最後に、「神奈川民族教育の特色―四つのEducaton」を提示した。アイデンティティ教育を軸に、ICT教育、コミュニケーション教育、キャリア教育・進路支援四つの歯車をかみ合わせて行こうというのだ。
そして、後段は「建設運営研究部会」による報告。この何年間、幾度となく頓挫してきたという新校舎の建設問題だ。隣接する横浜初級が竣工したのが、一九六一年で、神奈川中高がその七年後、半世紀が過ぎている。耐久度調査に基づいた校舎の老朽度がのべられ、新校舎建設までの具体的ロードマップが示された。一年間の準備期間を経て、本格的な募金運動に取り組み、五年後の二〇一二年、神奈川中校創立七〇周年は、新校舎で迎えることが呼び掛けられた。
三日に一度五〇〇円玉を五年でここに参加している一五〇〇人の中で、一〇〇〇人だけ協力してくれても
総工費一二億円を予定しているという。提案は具体的だった。


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 ざわめきと大きな拍手、歓声。隣に座っていた高齢の女性からは「私も五〇〇円貯金するわ」との声が。卒業生でもない、私も思わず…。これからの五年のキセキ―軌跡・奇跡を確認した、「これまでの想いを、これからの未来にプラスする」という「神奈川ミレ[未来]プロジェクトの出帆を確認できた瞬間でもあった。
沢渡の丘に新しい「風」が吹き始めた。
 
*加筆して11月下旬刊行の『朝鮮学校のある風景』40号に掲載します。