【3月22日・火曜日】
この時期、朝大に行くと、まずは「木蓮の花は咲いたか」だ。卒業して四〇年以上経つというのに、母校に行くと、卒業式の時に歌った、「목련꽃 필때(木蓮の花が咲くとき)」が思い出される。
三月上旬に行った時は、まだ固い蕾だった。この日は散り始めていた。満開の木蓮が卒業生を送り出したのだろう。

図書館の壁の「자기 땅에 발을 붙이고 눈은 세계를 보라(地に根を張り世界をみよ)!」とのスローガンを入れて一枚撮った。
卒業生を送り出し、前期の講義も終わり翌日からは短い春休みに入る。校内は閑散としていた。部活と、旅費やアルバイトなどで、「大学残留組」が多いようだ。
左右二か所の食堂も、左手の女子と教職員専用のコーナーは閉ざされていた。
メニューは鶏のから揚げ、油淋鶏(ユーリンチー)。ご飯をよそっていると、器に押し込んで、押し込んで山盛りのご飯を持ったトンムが二人席に着いた。器からご飯がはみ出ている。近づいてみると、ごはん山盛りの器がもう一つ。
「写真を撮っても…」
二人ともラグビー部で、左の赤シャツのトンムは一〇〇キロ超、もう一人は七〇キロだという。
笑顔で、これでも足りないと。

その一方で、女子大生の一群がテーブルを囲んでいた。にぎやかだ。国家試験を控え「合宿」体制に入ったという保育科のトンムたちだ。昨年、在日朝鮮学生支援会のメンバーと一緒に、受験勉強に励む彼女らを激励に行ったことがある。分厚い参考書が何冊も置かれていて、「これと皆で格闘しています」と明るく答える姿が思い出された。「皆で」という言葉を今でも覚えている。
この日は、図書館には行かず、何人かの先生から『風景』の編集のアドバイスをもらった。会う先生ごとに、新年度は、例年に増して多くの新入生を迎えると、話も弾んだ。***