百倍広い運動場での体育の授業
【9月7日・金曜日】
仕事先に向かう前、東京中高に行った。東京チェーサムの仮校舎になった後、東京中高に寄るのが、習慣になりつつある。
仮校舎になっている、校門右側の校舎の三階に直行、二階にさしかかると、児童のざわざわ感が伝わってくる。
授業中だ。校長室のドアが閉まっている。ゆっくり歩きながら、窓越しに教室をのぞく。四年生の教室はもぬけの殻、六年生は担任の夫先生ではなく、図工講師の張先生が児童に取り囲まれていた。図工室がなく、授業は各教室で行うことになったという、張先生の言葉が思い出された。
もしかしたら、四年生は体育の時間? 急ぎ運動場に向かう。夫先生の合図で児童たちが人工芝を一斉に走っていく。五〇メートル走? テニスコート二つ分ほどの東京チェーサムの運動場ではできなかったことだ。息を切らして、戻ってくる児童を夫先生はハイタッチで迎えていた。

少し雨がぱらつき始めた。鬼ごっこがはじまる。夫先生の「広いので…」という声が聞こえる。ゴール門の前の白線の中と決めたようだが、それでも広い。児童の元気な歓声、楽しそうだ。

始業式の時、校舎から多目的ホールに向かう児童に「運動場は?」と、声をかけると「一〇〇倍広い」という答えが戻ってきた。東京チェーサムの運動場は狭く、運動会はこの東京中高で行なっている。当分、体育の時間は運動会気分? そんなことを勝手に思いながら、急ぎ仕事先に向かった。

東京朝鮮文化会館のロビーでは、翌日の共和国創建70周年慶祝大会のための機材が運び込まれていた。
*加筆して9月下旬に刊行する『朝鮮学校のある風景』51号に掲載します。