#平壌なう、訪朝報告会
【11月12日・日曜日】
fbにアップされた「♯平壌なうに使っていいよ。~訪朝報告会~」の素敵な文句に誘われ参加した。

主催が「朝日大学生友好ネットワーク」だけあって、席はは若者で埋まっていた。八月下旬から五泊六日、朝鮮を訪問したのは、東京女子大学四年生、学芸大学三年生と朝鮮大学校三年生の三人。報告会は、モニターに映し出される映像を見ながら、昨年、同企画で訪問した朝大生の質問に答える形式で行われた。
行くことになった動機、行く前のイメージ、訪問先での印象など、三人の率直な話はとても好感が持てた。

初訪朝の学芸大の学生は「自分が見聞きしたこと、その実態を日本人に伝えたかった」、「行く前のイメージは、軍人、軍隊、ミサイル…やばい…戻ってこられないのではとも…緊張が増す中で来てくれてありがとうと歓迎された」、「平壌外国語大学の学生には『休日は何をするの』とか、『何して遊ぶの』とか、『デートコースは』とか、当たり前のことを聞けて驚いた」、「八時四〇分過ぎに遊園地にいったら、小中学生くらいの子どもたちが階段に座って話し込んでいて、手を繋いで楽しむカップルも…大同江の遊歩道はデートコースになっていてカップルが…治安がとてもいいなと」―そんな話をしていた。
モニターには、高層住宅街と大同江の写真と、男女が仲良く腕を組むイラスト、ハートマークと共に、「朝鮮の人たちも普通に街でイチャイチャ!?」とのキャプション。会場の雰囲気が和らいだ。

二度目の東京女子大の学生の感想は―。
「二年前は怖いイメージ、ただ見物している感じ…今回はなるべく人対人のコミュニケーションを取ろうと…」、「二年前は距離感を感じたが、今回は踏み込んで話ができてよかった」、「二年前に比べて凄く変わった。スマートフォンが圧倒的に増え、ゲームも…経済制裁の中でも国は先進化していた」、「服装も二年前は昭和の時代『サザエさん』みたいだったが、今の日本と変わらない…成長が著しい…どんどん成長している」。
カトリック教会にも行き、ロシア正教の聖堂もあると聞いて、「ビックリした」とも話していた。
二人がもっとも熱っぽく語っていたのは、若者同士の交流の大切さについてだった。
「…外国語大の学生は『なんとなく流れで日本語を専攻するようになったが、後悔している』と、日本に対してネガティブなイメージを持っていた。それがショックで、泣いてしまった。戦前の爪痕とか、謝罪とか日本で言われたことがない話…言われてみると、傷ついたが、大切な体験だった」(東京女子大生)。
「経済制裁をしていることもあってか、(現地の学生たちの)日本のイメージがよくなかった。それでも話し合うと、『日本人も人なんだ』って、(自分たちが行くことによって)日本人に対するイメージが少しは良くなったのでは…結構仲良くできた」(学芸大生)。
今回が七回目、日本の友だちと行くのは初めてだったという、朝鮮大学生の話もまた、興味深かった。
「…楽しみの半面、日本メディアの偏見…ドキドキ、いいイメージを持ってくれるのか不安だった」、「日本人と朝鮮人がこんなにも分かり合えるなんて…現地の人びとと笑ったり、真剣に話したり、涙を流したりしながら、別れを惜しんで…」。
決意表明を兼ねたような次のような言葉は、心に響いた。
「自分が朝鮮人であることを誇りにしている。日本の良い所も知っている、そんな『特別な存在』である在日だけができることがあるのでは…若者たちが朝鮮と日本の未来を作り出していくので、活動を広めていけたらと…」。
来年度の訪朝と関連し、話されたいくつかの「リスク」、「懸念材料」にいて、四つのことが挙げられた。

「危なくないのか? 防犯面・衛生面」、「制裁中の訪朝は可能か?」、「パスポートやそれ以降の海外渡航に影響はないのか?」、「就職に影響はないのか?」
朝鮮と日本の溝の深さを、そのまま物語る話だ。心苦しかった。
質疑応答の中でも「親をどのように説得したのか?」、「行ったことを公にしたくない人もいるようだが…」。それに中国を経由しての二五万円という渡航費用のことなど、「厳しさ」を伺わせる問題が提議された。
当初、今回の企画への参加希望者が一〇人前後いたという。日頃、「朝鮮」、「在日」にかかわっていた人たちだ。「溝」を埋めるのは一朝一夕ではいかないようだ。
*加筆して、11月に刊行する『朝鮮学校のある風景』46号に掲載します。