「無償会」支援集会の舞台裏
【10・15・土曜日】
東京朝鮮高校生「無償化」裁判支援集会開始、三時間前。会場とは別途で借りた和室での配布資料の丁合が始まる。「無償化」排除に反対する行動がはじって六年、提訴・裁判から二年が過ぎた。この間、幾度となく、支援集会、報告集会が繰り返される中で、受付で渡す資料へのチラシの添付を希望する人は丁合を手伝うのが慣例になったようだ。
まずは、机一杯に広げられた案内チラシから取り掛かる。国際立憲主義の実現を求める集会、西東京第一の学校創立七〇周年を記念するふれあいフェスタ、「鬼郷」上映会、枝川朝鮮学校支援コンサート、朝鮮文化とふれあうつどい、ふれ愛・コリア映画上映会、学校に自由と人権を!集会、吉見裁判高裁判決報告集会、狭山事件の再審を求める市民集会…『朝鮮学校のある風景』の書籍案内チラシも加えてもらった。

印刷に手間取ってたのか、搬送途中に交通渋滞に遭ったのか、ようやくデジュメが届く。
この日の講演のテーマは、「『高校無償化』からの朝鮮学校排除、何がおかしいか」。副題は「法律専門家の立場から」となっている。講演者は神川大学法科大学院の安達和志教授だ。
裁判の概要、処分理由に関する疑義…デジュメは、関連資料を含めて八ページ、二つ折りして束ねながら拾い読み、時々手が止まってしまった。分かりやすい。

一時一五分前から会場の準備に取り掛かる。「無償化」関連集会としては、初めての会場だ。椅子席だと三六〇人が収容できるというだけあってだだっ広い。四メートル近い集会看板が小さく見える。総出で、テーブルと椅子を並べはじめる。初めての会場なので勝手がわからず、開場時間が迫ると、駆け足になっていた。ロビーでは、丁合作業が続けられていた。
こうして、二時からの支援集会は、五分遅れで始まった。
まずは、李春煕弁護士が訴訟の争点と見通しについて話した。証人尋問が行われる一二月一三日の次回期日に注目とのことだ。
安達和志教授からは、難しい裁判の話をとても分かりやすく聞くことができた。
「私たちは植民地統治時代の抹殺・同化政策からの地続きの今を生きている…」との朝大生のアピールは、胸に突き刺さった。
参加者も一緒に加わり、四〇余りの机と二〇〇余りの椅子を倉庫に戻し、集会終了二〇分後の四時半には撤収が完了した。
かたづけながらも感想を述べあっていた。「部活と勉強、それに無償化闘争がキャンパスライフだなんて…」、「これからもいつまで、どれだけの朝高生が声をあげなければならないのか…」、「私は(これからも「無償化」のたたかいの)主軸でありつづけたいという言葉には…」、「歴史の生き証人を…」。朝大生とオモニ会代表のアピールは参加者の胸を打ったようだ。

一角では、この日会場で販売していた羊羹の売り上げの全額をカンパする支援者の姿も。
主催した東京朝鮮高校生の裁判を支援する会によると、この日、資料代を払っての入場者が一七七人、高校生は無料だから参加者は一八〇人を超えたようだ。受付時の名前からして、三分の二が日本人とのことだ。
追・この日配布された、プログラムもまた、できることはすすんで行うという、「支援する会」を支える人びとの「無償化」実現に向けた、思いの結晶だ。準備会議で繰り返し意見を交換し、メールで幾度もやり取りをして、講演者が裁判所に提出した「東京朝鮮高校無償化国家賠償請求事件に関する意見書」概要とポイント、朝鮮高校生たちが受けた被害額の総額、「高校無償化」からの朝鮮学校排除問題の経緯、全国裁判一覧、今後の裁判日程、それに集会参加者全員で歌った、「声よ集まれ、歌となれ」の歌詞などの内容と文案が決められた。デザインを請け負ってくれた同胞がいて、そして少しでも廉価な印刷所を探して、ようやく形になった。
*加筆して、一一月下旬に刊行する『朝鮮学校のある風景』40号に掲載します。