剪定した樹木の片づけの助っ人に | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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剪定した樹木の片づけの助っ人に
【1月14日・木曜日】
 教育会の金柱宇顧問は、すでに切り落とした枝の整理に取り掛かっていた。
昨年、夏休み明けからの剪定は、保護者の手助けもあり一段落した。年末年始、大雨が降ることもなかったので、適度に乾いた樹木の枝を削ぎ、後片付けをするだけだ。とはいっても、枯れ木は校庭にうず高く積まれている。卒業式、校庭での記念撮影の邪魔にならないよう、片付けなければならないと思うものの「圧倒される」量だ。
 剪定された枝は思いのほか太い。歯が欠けたナタでは、思うように作業は進まない。
 授業中だ。校舎からのざわめき感が良い。しばらく、作業を進めていると、休み時間を知らせる音楽だ。一階の会議室から児童が次々と出てきた。クモリガラスなので顔は見えず、影だけだ。会議室から児童? 木曜日だから英語の授業だったのだろう。

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 校舎から体育着を着た児童が飛び出してきた。
 児童から「アンニョンハシムカ」されると、「何年生?」と聞いてしまう。一年生だ。運動場に向って走り去って行った。
 次に出てきたのは、女子児童だ。「水爆実験の報道」で、登下校が心配で、学校名が分かる制服の着用を控えているのかと思ったが、女子児童は制服だ。「冬なので制服の上にジャンパーを着るので…少しは安心」とのある保護者の言葉が思い浮かんだ。
その内の一人が「年賀状、コマッスムニダ」と話しかけてきた。正月に、少年団の第二分団の児童から年賀状が届いたので、返事を書いた。そのお礼だ。
 校庭を走り回っている。みんな笑顔だ。横で低学年の女子児童は縄跳びに興じていた。
 そんな児童の姿を見ると、枯れ木の後片付けにも力が入るというものだ。
 「○○トンム、○○をもって職員室に来なさい」。校内放送だ。

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 車で戻ってきた金校長は、臼と杵を洗い始めた。週末に予定されている餅つきの準備だ。
 四時限目が始まったので、作業は一休みし、いつものように校舎をひと回り。下駄箱にカラフルな靴がお行儀よく収まっていた。二足ばかり外にはみ出していた。思わずシャッターを押していた。
 「마흔둘마흔셋…」。数を数える児童たちの声が聞こえた。

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 低学年の教室が並ぶ二階に行くと、一年生と二年生の児童の姿がない。一年生は図工室で絵を描いていた。二年生は音楽の時間だ。

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 教員室と校長室が並ぶ一階の廊下には、三日前に行われた関東地方のウリハッキョのバスケットボール大会の二つの楯が飾られていた。男女がW優勝だ。隣には、昨年夏の全国大会での男女の優勝楯が二つ並んでいた。連覇だ。母校の後輩の快挙が誇らしい。

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 作業を続行。乾燥しているとはいえ、太目の枝を削ぐのは手間取る。肥料にするというので、枯れ葉は校舎の裏へ運んだ。
そして昼食時間だ。炊事場から注文弁当とお茶が入ったヤカンをもった児童たちが出てきた。女子児童は、弁当が入った籠を頭の上に載せて廊下を歩いて行く。荷物を頭の上に乗せて歩く、朝鮮のおばあさんの昔の絵を思い出し、カメラを向けた。

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 金顧問と一緒に、教員室で昼食。
 ドアを開け、「○○年の○○○です」と言って、用件を話す児童。一人は昼食を忘れてきたようで、もう一人は箸を借りにだ。
 午後も引き続き作業を続行。鋭い金属音がする。近づいていくと、金顧問はドラム缶をいじくっていた。昨年秋、バザーが終わって数日後、これでイモを焼いたのだが、排気が良くなかったようだ。それで、手直ししているとのことだ。
 散らかった枝木と枯れ葉を集め私は「早退」。この間、昼食時間を入れて三時間余り。まだ、ゆうに三〇時間分の作業が残っている。『風景』の編集が一段落したら、また元気が出る、ウリハッキョの「ざわめき」を聞きに来よう。
 暖かな日差しの下で、金顧問はひきつづき楽しそうに作業を続けていた。


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加筆して、3月に刊行する『朝鮮学校のある風景』36号に載せます。