【5月21日・木曜日】
JR国分寺駅からバスではなく、西武線の鷹の台駅からロマンス通りを朝大に向かった。暑くもなく寒くもない、キンモクセイが香る秋口と、この時期は一番しのぎやすい時期。この日は、気温がぐんぐん上昇したが、心地よい風が吹いていた。ツツジの花が咲き誇っていると思い校門を入ったが、満開の時期は逃したようだ。
『朝鮮学校のある風景』に「チョーデーlife」と題するグラビアを毎号載せている。被写体になる在校生だけではなく、寄宿舎に送っている学父母たちにも好評だ。普段知ることができない朝大の学生生活、学園風景を身近に感じることができるというので、日本人の読者の関心度も高い。
すべての原稿は、誤字・脱字、事実関係の確認などで、少なくても十日間前後、編集部に留まるが、グラビア「チョーデーLife」だけは、印刷に回す直前にドッキングされる。ふた月に一回、食堂での昼食と共にこの日が楽しみだ。

途中、中央線が「大幅な遅れ」とのアナウンス、全部長に「電車、遅れている。荻窪駅ナウ」とメッセージ。日を改めてと思っていたところ、「最近多いですね。お昼は海鮮丼だそうです」との返事、朝大で海鮮丼? 思わず「ヨッシャ!!!\(^o^)/」と、絵文字入りで返信していた。
間違いなく海鮮丼だ。在学時代には考えられない「贅沢な」メニューだ。
「食堂で初めて刺身が出たのは…」
「まぐろでしょう。溶けてなくて…」
「ヨウカン…色もそんな感じで…」
一緒に食事をした、出版部の面々のそんな会話から、海鮮丼は特段珍しいメニューではないようだ。
食後、いつものようになんとなく校内をひと回り。中庭の朝大委員会の前の壁に貼った「高校無償化実現のための金曜行動」の日程表が目にはいった。7月には千人規模の「大規模闘争」を予定しているようだ。

顔見知りの先生がいないかと、教員専用の喫煙所に向う。途中、「우리 말 소리높은 곳에 동포들의 행복이 있다!」の大きな壁新聞、「ウリマル(私たちの言葉=朝鮮語)の声が鳴り響くところに同胞たちの幸せがある」-心に響くスローガンだ。

天気が良かったので、寄宿舎にはたくさんの洗濯ものが干されていた。
ガラスにヒヨコ? 帽子を被った女の子、大きなハート? 遠目でよくわからないが、目隠しを兼ねてか、様々な装飾が施されていた。女子寮だ。私たちの在校時には考えられないことだ。

何人かの先生と学生に原稿の執筆を打診することもできた。校門を出て振り返ると、木々がうっそうと茂っていた。ツツジが終わると、緑の季節だ。キンモクセイの香りが校内を包む秋口まで、熱い日々がつづく。『風景』の次号の締め切りは7月だが、6月のオープンキャンパスにも来て、在校時との「違い」を探ろうと思う。

*再整理して、9月刊行の『朝鮮学校のある風景』32号に載せます。