東京第三・雨降りの入学式
【4月5日・日曜日】
あいにくの雨、校舎の前での記念撮影はできず玄関で行っていた。新入生は緊張気味だが、アボジもオモニも、そして写真を撮る先生たちもみんな笑顔だ。

会場に入ると、「転入生の席」と書かれた椅子に女子児童が座っていた。
私・「どこから?」
児童・「横浜です」
私・「何年生?」
児童・「六年生です」
女子児童は、一人で来たようだ。
私・「緊張していますか?」
児童・「大丈夫です」
私・「部活は?」
児童・「舞踊とバスケットをしていました」
競演大会やバスケの試合で、顔なじみの六年生がいるようで、それほど緊張していなかった。

会場の後ろの壁には、各地のウリハッキョから送られて来た祝電に混じって、新入生が通っていた幼稚園と保育所からの激励メッセージが貼られていた。
「にゅうがくおめでとう。あたらしいせんせいや、おともだちとのであいをたいせつに。そして、いろいろなことに、じしんをもってチャレンジしながら、いちねんせいをおもいっきりたのしんでください。みんなのこと、いつまでもおうえんしています」
児童たちが読めるよう、全文平仮名のメッセージもあった。運動会や、夜会なとで近隣の幼稚園や保育園の先生たちをよく見かける。卒園しても温かく見守ってくれる日本の先生に感謝だ。

六年生の手にひかれて、新一年生が入場をはじめると。アボジとオモニたちは一斉にカメラを向け、祖父母たちは遠慮気味に椅子から腰を浮かせ、拍手で迎えていた。朝大時代の同級生は、はち切れんばかりの笑顔で大きく手を叩いていた。孫は五年生と三年生にもいる。運動会に学芸会、敬老の日のイベント、夜会、今年も孫を見に来る彼の姿を見る機会は少なくないようだ。

新入生を正面の席に案内した六年生は廊下で待機、背伸びをして担当の新入生の姿を追っていた。昨年の身体検査、一日体験登校、学芸会でも顔を合わせているので、兄や姉のような気持ちになっているのかもしれない。

一人ひとり名前を呼ばれた新一年生は、花束を手渡した六年生に抱きかかえられるようにして、カメラに収まっていた。名前を呼ばれても返事ができない、シャイな男子児童もいた。


金校長が「静かにー静かに、では一年生は…」
担任の先生が紹介される度に在校生の席からは歓声だ。時には悲鳴も…。
茨城のウリハッキョから赴任してきた李先生は二年生の担任として紹介された。
始終にぎやかだったというか、はち切れんばかりの元気集団は五年の女子だった。

玄関で、東京第三のキャラクターの「チェサミ」と記念写真。雨を嫌ってか、着替えが間に合わなかったのか、「チェサミ」と喧嘩したのか、相棒の「ミレ」の姿はなかった。

私・「ふらついていますね」
チェサミ・「…」
私・「怖がって、一緒に写真を撮るのを嫌がる新入生もいたようですが…」
チェサミ・「……」
聞き出せたのは、運動会の日には「ミレ」と一緒に体操着姿で登場するとのことだ。学芸会の時は、パジチョゴリとチマチョゴリの民族衣装だった。「二人」は、イベントごとに「衣装持ち」になっていくようだ。

*加筆して『朝鮮学校のある風景』31号に載せます。