<点描>猛暑の朝大へ
【7月23日・水曜日】
朝大はすでに夏休みに突入していた。何年か前に夏休みは8月に入ってからになったと聞いていたが、これまで夏休み明けに行ってきた前期の試験を夏休み前に行うことになり、今年は夏休みが一週間ばかり早まった。猛暑のためとのことだ。
寄宿舎にはクーラーがない。扇風機はあるのだろうか?
夏休みのはずなのに、昼食時間に食堂に行くと、男女の学生でごった返していた。サッカー部やラグビー部などの合宿、保育科の資格試験受験の特訓、アルバイトで地方に帰らない学生も少なくない。実習のため祖国に行く学部生もいるようだ。
2人の女子児童が食事をしていた。食事が終わると、洗い場に食器を戻しながら発した「チャルモゴッスムニダ」との声が弾んでいた
厨房から出てきた白衣を着た女性と一言二言交わしていた。「オモニ」と言う声が聞こえた。もう一人も教職員の娘のようだ。
いつだったか、大学の教職員住宅の児童の話を聞いたことがある、日本語よりウリマルの方が達者だと。そんなこと思い出しながら、剪定(せんてい)した金木犀(きんもくせい)の木の横を通り過ぎ、研究棟に向かう児童の後ろ姿をカメラに収めた。後ろを歩く児童の歩幅が大きかった。

終業式が終わるとヤヨンへ
【7月24日・木曜日】
9時前に、いつもの東京第3へ。久しぶりに聞く児童のざわめきが心地よい。
終業式を終えると、早々にバスに乗って、ヤヨン(野営=キャンプ)に出発することになっていた。
校舎に入ると、教員室の前に12個もの大きな段ボールが二段に積まれていた。「金持ちになった三兄弟」、童話のタイトルが目に飛び込んできた。
教育会室に行くと、洪先生が「500冊です。ソウルから送られてきました」。「8月下旬の夜会には送り主が来るかも…」と、興奮気味に話していた。

低学年の教室が並んだ2階へ。急ぎ足で1年生の教室から出てきた女子児童が立ち止って「アンニョンハシムニカ」だ。「アンニョンハセヨ」と返すと、「チャルオショッスムニダ」。「どこに行くのですか」と聞くと、「トイレに行きます」と。1年生とのウリマルでの言葉のキャッチボール、なんとなく嬉しかった。
3階の5、6年生の二つの教室の間仕切りを取り除いた「臨時講堂」に全校生が集合、廊下には大きなリュックやバックが並べられていた。4、5、6年生は、制服ではなく、体操着で座っていた。

いつも、女子児童が書いている「○学期終業式」との文字がない。終業式を終えて、そのままキャンプに出発するということは、この何年間なかった。朝から慌ただしかったのか、その準備に気を取られたのか、そんなことを思いながら6年生の後ろの席に着いた。
金校長は、学年別に一人ひとりの名前をあげ1学期を振り返った。
今年度、チャレンジしている「勉強での模範校」になるための努力が多く語られた。視聴覚障碍者の小暮さんとの心の交流(『風景』26号参照)と、「こんな子どもたちがいるのだ」と、高齢者から届いた感謝のメールについての話に心が和んだ。
6年生のバスケットボール部員が下校時に席を譲ったというのだ。金校長は、トンムたちも疲れていたでしょう、それに譲ろうと思っても、話しかけるのに勇気が…思ったことを行動に移すことは大人でもなかなかできないことですと、称えていた。

上履きを忘れたのだろう。6年担任の黄先生の隣に座った男子児童、金校長の報告が終わると、万歳をするようにして大きく手をたたいていた。気持ちはここにあらず。すでに奥多摩のキャンプ場に行っているようである。

学年代表に成績表が渡された後、金教務主任が「重大発表」。4年生と1年生の姉弟が、2学期から北海道のウリハッキョに転校していくとのことだ。すでに児童たちは知っていたようだが、前に並んだ2人は、恥ずかしがり屋なのか、さびしいのか、ずっとうつむいていた。
そんな2人に金教務主任は、北海道から九州まで、全国各地にある朝鮮学校は、みんなウリハッキョです。何かの大会で会ったり…「朝鮮新報」に載ったりして…どこに行っても、兄弟のように忘れないでしょう。これからも同じウリハッキョのハッセンとして…。
そして全校生に大きな拍手で送りだそうと述べた。

キャンプに出発する時間が迫っている。4、5、6年生は、一度渡された成績表を担任の先生が再び回収していた。
4年生の教室からは、「成績表というのは、学期末試験の成績だけではなく…授業中の態度…宿題もです…」。
担任の夫先生のそんな声が聞こえてきた。
低学年の教室では、いつもの通り、児童たちは一人ひとり、担任の先生の話を聞きながら、成績表を受け取っていた。

高学年は校庭に整列。
「お弁当だけ出して、後の荷物はバスの…」。黄先生はそんな言葉を繰り返していた。それでも中には、リュックからコメが入ったビニール袋を出して、「これは…?」と聞く、男子児童がいた。自炊をするようだ。
金校長は「寝床が変わるので、夜のトイレが心配」、金教務主任は、「59人、24時間目が離せません…」と。男性の先生は暑さが、女性の先生は日焼けと虫刺されが気になるようだ。
学校の裏の大通りから出発だ。リュックを背負て歩く女子児童の体が大きく左右に揺れていた。男子児童にくらべはるかに大きかった。

何人かのオモニが見送りに来ていた。走り出すバスに大きく手を振っていたが、バスが出ると、「自分たちの夏休み」のことで話は弾んでいた。低学年の3人の担任も、この後、学校の車でキャンプに向かい、児童たちと合流するとのことだ。

<点描>3年生の好きなスポーツ、得意な科目
3年生の教室の前の廊下に貼り出されていた、3つの班に分かれて調べた「ランキング」だ。
○大好きなスポーツ―一位・サッカー 5、2位・バスケと新体操 各2、ランキング外・プール、スキー、卓球 各1
○一番得意な科目―体育 4、算数 3、理科、図工 各2、音楽 1
一番苦手な科目―算数 4、図工 3、日本語 2、体育、国語、社会 各1

○家で飼いたい動物―ベスト3 犬 4、うさぎ 3、 ハムスター 2、ライオンのあかちゃん、ミアーキャツト 各1
一番嫌いな動物―サル 2、ぞう。うさぎ・イノシシ・モズ・スカンク・ぶた・ゴリラ・しば犬・やぎ・へビ 各1
学校生活の一端がのぞけるようで、ほほえましい。ik