【3月1日・土曜日】
「阿佐ヶ谷朝鮮学校サランの会」による一日給食
前日、事務局長の三木さんから「明日は給食ですね。…9時から始めています! もうおなかが減ってきました…」とのメールが届いていたが、学校に着いたのは、10時過ぎていた。
炊事場をのぞくと、4人が黙々とみじん切りに挑んでいた。メニューは、ひな祭りだというので具だくさんのちらし寿司だ。ニンジン、レンコン、ゴボウ、かんぴょう、シイタケ、高野豆腐…。サラダ用のキャベツもだ。
自前の包丁を持参するだけあって、[料理長]の三木さんがニンジンを刻む速度は衰えない。
「○○を嫌いな子どもたちが多いから、もう少し小さめに」、「サラダに彩りが…リンゴも…」、
副会長の申さんの声だ。
「お米は○キロ…前回のように足りなくならないように」との声も聞こえた。
前回10月の一日給食は、ハヤシライスだったが、7キロ炊いたご飯がなくなり、途中パンを買いに走ったからだ。*本誌22号52~59頁参照
卵が茹で上がったら、剥く係りをというので、それまでいつものように校内を一周した。

いつものように1階と2階の間の踊り場の「新刊コーナ」に足を止めた。
1年生は「てんきえほん」と「10分で読めるお話」、2年生は「はれたまたまこぶた」と「ずっとずっといっしょだよ」、3年生は「豆つぶほどの小さないぬ」と「西遊記」、4年生は「地震のサバイバル」と「暗号クラブ」、5年生は「できごと事典」、「頭のうちどころが悪かった熊の話」、6年生は「図書館戦争」と「図書館内乱」だ。
2年生の「はれたまたまこぶた」は、何度もタイトルを読み返してしまった。著者の作品は英語や中国語、タイ語にも翻訳され、テレビや映画のアニメにもなっているようだ。

授業が終わったのか、児童たちが多目的ホールでテーブルと椅子を並べ始めた。学年別に児童と先生、それから「サランの会」のメンバーが座る席が。手慣れたものだ。

炊事場に戻って、ゆで卵の皮を剥いていると、つぎつぎと先生が顔を出し、「コマッスムニダ」していった。
月末に結婚式を控えている長身の先生は、質問攻めにあっていた。
「お相手は誰だれ?」、「あの先生、どうりで最近綺麗になったと思ったら…」、「同級生?」、「結婚式に児童も呼ぶの…」
照れながらも、笑顔で応えていた。朝大の4年制と3年制を卒業して一緒に赴任してきたようだ。
酢飯をかき混ぜたり、スープの味付けをしながらも、「新学期から一人は他校へ?」とか、「児童たちはどちらに残ってほしてのかしら…」、「結婚と出産は、子どもたちの情緒教育にとってもよい」など、久々の職場結婚のニュースに、話は尽きなかった。

昼食時間30分前、多目的ホールでは盛り付けがはじまった。
「低学年は少なめに…おかわりをすることが楽しみだから…」、「先生方は大盛り…女性の先生はおかわりしづらいでしょうから…」
そんな声が聞えた。
「次号の会報は、一日給食の特集にしようと思います」。
「サランの会」の広報担当の茅原さんが、角度をかえて何度もシャッターを押していた。

早めに来た児童たちが、盛られたどんぶりをのぞき込んでいた。
「ピンクのこれって…」、「黄色いのはたまごでしょ」。なかには、「カレーが良いのに…」と、自分勝手なことをいう児童もいた。

「サランの会」のメンバーに、「チャルモッケッスムニダ」だ。
食事を前に、「スープの中に大根とニンジン、ホウレンソウが入っています。一つだけ土の上に生える野菜があります。何か分かりますか」
日頃から給食を大切な食育の機会に試みようとしている、申さんが児童に問いかけていた。スープには、煮干しが2~3匹ずつ入っていた。これも食育の一環のようだ。
食事の前に、担任は記念写真を撮っていた。

広報担当の茅原さんも、各テーブルを回りながら、児童の笑顔をカメラに収めていた。

一番遅くまで食べていたのは、1年生と、三木さんだ。児童は食べるのが遅いからだが、三木さんは食べる量が多いからのようだ。

後片付けをしながら、オモニ会の役員から「新刊図書」について話を聞けた。
学年別に責任者がいて、古本のチェーン店で購入したり、読み終えた図書を寄贈してもらったりしてやりくりしているようだ。地元の公立図書館で「団体貸出」をしているようだが、3年前の本で、地元の杉並区在住の学父母が少なく、それに働くオモニたちが多く、図書館に行く時間も惜しまれるとのことだ。
××
翌日、fbをみると、「子供たちの母校で成人式を兼ねた謝恩会に参加しました。6年間お世話になった先生方もいらっしゃいました。アットホームな雰囲気で成人になった子供とのコミュニケーションもとれて有意義な会でした」、「今日は謝恩会でした。楽しかったなぁ」の記事がアップされていた。
一日給食を特集した、「サランの会」の会報が楽しみだ。