愛知の学父母代表が整理回収機構へ | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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【10月1日・火曜日】
丸の内三丁目の整理回収機構(RCC)へ。愛知の学父母の代表が名古屋コリアンスクール(名古屋朝鮮初級学校の分校)の競売取り下げを求めて陳情に来ると聞いたからだ。
 到着時間に合わせて、最寄りの有楽町駅に降りたが高層ビル群、地図を片手に周囲をウロウロ、RCCが入居するビルにやっと着く。すでに長谷川代表、佐野先生、田中先生、森本さんの「無償化」連絡会の「四人衆」の姿があった。愛知の代表から「少し遅れる」との連絡が入ったとのことだ。 
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 「陳情」は、8月の2日と27日にも行われている。9月に発足した「民族教育を守る愛知県学父母の会」のフェイスブックには、学父母一同の嘆願書と、学父母と生徒の嘆願書290家族分と同胞署名462名分を提出したことが詳しく記されていた。RCCが入居する建物の向かい側の歩道で「競売反対」、「入札反対」、「学ぶ権利を踏みにじるな」との大きな横断幕を掲げた写真もアップされていた。
 応対に出てきた相談室の職員は、前回まで応じていた「担当者」との面会をかたくなに拒否、かれらとのエレベーター前の廊下でのやりとりが延々とつづいた。
 「学校が取り上げられないようにするためにきた」、「孫が学ぶ場所がなくなるのではと…わざわざ名古屋から…」、「学園ではなく、学父母の思いを聞いてほしい」
職員らは「訴訟中なので代理人同士の話し合い以外は認めない」の一点張りだ。誠意のない機械的な対応に涙ぐむ女性もいた。
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「心配で、心配で、学父母の会を立ち上げました。どうか話だけでも…」、「結論を求めて来たのではない。学校に児童を送っている当事者の声を聞いて…」。「戦後も朝鮮学校を潰して、今度も…どんな思いで、学校を運営してきたか…。100年以上、朝鮮人を苦しめ続けている」との声も飛んだ。「16歳の少年を殺したんだぞ」。1948年の「4・24阪神教育闘争」で警官隊が放った銃弾で犠牲になった金太一少年の話しだ。 
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 「部屋が狭いので代表を3人に…」と言いながら、その場にも「担当者」は出てこないという。それでその場で「民族教育を守る愛知県学父母の会」名義の申入書を読み上げることになった。
「学びの舎」という言葉が、幾度となく強調されていた。
 「万一、この施設がなくなると私どもの子どもに教育を受けさせることができなくなるのです。…今後どこで学ばせれば良いのか、深く悩んでおり、大きく動揺しております…」
 学父母の代表が読み上げる声が廊下に響き渡っていた。警備に動員されたであろう事務所の前に等間隔で配置された若い職員たちは、天井や足元に目をやるなど、無関心を装う素振りだった。
 学父母の会が申入書で明らかにした「要望事項」は2つ。一つは、裁判において法的な決着に至るまで競売を取り下げる、もう一つは、どうしても処理しなければならないのなら、「学父母の会」に任意売買してということだ。
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 「無償化」連絡会の田中先生(一橋大学名誉教授)は、「相談室」の3人の職員に諭すように話しかけていた。
「せめて担当者が話だけでも聞くべきではないのか。これだけの人が声を聞いてほしいと来ているではないか…日本人としていたたまれない。担当者が受け取るぐらいはできるのでは、返事はできないとしても…この場に出てきてほしかった。どんな思いでここにきているのか、歴史の重みを知ってほしかった。恥ずかしい、悔しい」と。「無償化」排除や、町田市での防犯ブザー配布からの除外、新大久保でのヘイトスピーチなどの問題について話しながら、憤りを隠せなかったようだ。
 相談室の職員らは田中さんと名刺を交換していたが、申入書とともに、学父母の声、田中さんの話が正確に「担当者」に伝わればと思った。 
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 小雨の中、「陳情団」はバスに乗って、とんぼ返りで名古屋に戻っていった。
 バスを見送りながら、「ウリハッキョ チキジャ」は、すべての同胞の思いだということをあらためて強く感じた。
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「陳情」にはフェイスブックで知ったという在京の母娘が1歳の孫を連れて参加していた。母親は、現在は名古屋コリアンスクールになっている、名古屋第2初級の卒業生、娘は愛知朝高で2年間教壇に立ったと話していた。
 翌日、フェイスブックには、次のような思いが、アップされていた。
「名古屋コリアンスクールには、教員時代に何度か行きました。オモニが小学6年生の時に建った校舎だそうです。オモニ、ウェサムチョンたち、従兄弟たちや、多くのチング[]が通った母校でもあります。昨日はもっとたくさんの応援が来るかと思っていたのですが、少し残念でした。何かできることがあればしたいです。今後とも、いろんな面でよろしく!!」 
「陳情」に参加した連絡会の事務局の森本さんは、報告メールで「これまで、整理回収機構として、裁判が決着していない段階で、競売が進められてしまうようなケースがあったのだろうか。担当者への質問ではケースバイケースという答えだったが、調べる必要があるようだ。整理回収機構(RCC)の非人間的な居丈高な態度に怒りがわいた」と書いている。
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 一週間後の10月8日付の「朝日新聞」は、「愛知朝鮮学園施設 競売へ」「債権めぐり係争 授業・クラブで使用」とのタイトルで、「実際に使用中の朝鮮学校の施設が競売されるのは異例で、学園側は中止を求めている」との記事が載った。
 
*加筆して11月25日に刊行する隔月刊誌『朝鮮学校のある風景』22号に掲載します。