【2月9日・土曜日】東京第3の学芸会へ。
今年のテーマは、「笑い、愛、希望が一杯!」だ。

最終リハーサルを見に、開演1時間前に会場へ。すでに並び始めていた。
体育館や多目的ホールがない東京第3では、学芸会は区の施設で行う。それも抽選なので、昨年は成増でしたが、今年は練馬の文化センター。練馬は客席も100席位多いので、十分余裕があるのだが、少しでも良い席でというのが、親心、曾祖父母の気持ちのようだ。舞台も広いが、費用も×倍、学校、教育会としては頭の痛いところだ。

舞台では、何人かの男女児童が立ち位置を確認していた。3つの教室の隔たりを外した「臨時講堂」で、繰り返し練習してきたが、広い舞台とは勝手が違うようだ。舞台には、赤いテープや白いテープがいくつも貼りつけられていた。午前中に最終リハーサル、その数時間後には本番を迎える。インフルエンザで十分に練習ができなかった児童がいたり、今朝高熱で急きょ出演できなくなった児童がいたりして、それでもベストの舞台をと、開演直後まで先生たちは対応に追われていた。

ゲスト用の優待席と今年の新入生のための特別席が作られ、今年は新たに「学父母特別賞-学芸会優先席・1家族4名様」が設けられていた。昨年8月の夜会の抽選会で、学父母でもあり音楽の朴先生が「これがあったら1時間前から並ばないで済む」、「私も当てたい」と紹介していた特別シートだ。(『朝鮮学校のある風景』15号18頁)
開場時間の1時半、最初に6年生の学父母が並んだ順に入場する。「写真を撮るには前が…」、「全体を見るには中央が…」そんな声と共に、「ハラボジが来るからもう一つ…」、「シオモニは目が悪いから前の方の席を…」そんなやり取りも聞こえた。

席が埋まって行く中、舞台の幕の後ろでは、全児童による「頑張るぞ集会」だ。
「練習してきた成果をみんなが心を一つに、全ての力を出し切って…」
6年担任の夫先生の話が終わると、何人もの児童が前に出てくると「クホ(口号)ル フルゲッスムニダ」だ。
最後の学芸会だというので、6年生が次々と立ちあがり、拳を振りかざしていた。声も大きかった。

舞台の左右に学校名が書かれた門が立ち、正面の大きなスクリーンに校舎が映し出された。その前で、児童がじゃんけんをしたり、追いかけっこをしたりし始めた。自分の子の名を呼んだり、写真を撮ったり…。今年の学芸会は「いつの間にか始まった」という感じだ。

舞台の上に全校生が勢ぞろいすると、金校長が「東京チェーサムにようこそ、いつもの楽しい学校生活が始まります…」。そしてオープニングの合唱「ウリハッキョの校門を開いてみよう」。
プログラムには、オープニングについて「今日も楽しい学校が始まります。笑いと誇り、希望があふれた第3学校の1日は朝礼から始まります。元気な姿を歌声にのせてお届けします」との説明が書かれていた。冒頭の校庭で児童が遊ぶシーンは、朝礼前の「日常の風景」のようだ。

つづく踊り「楽しい登校」(2年生)、童謡メドレー「世界の歌」(3年生)、演劇「近道」(5年生)、ラインダンス「読書の時間」(4年生)、話術「楽しいウリマルの時間」(1年生)、チャンダン「心を一つに」(6年生)の学年別の演目も、

そして、クラブ活動別のお話「あいさつ」(ウリマル部)、バルーンアート「ぼくらの幸せ」(図工部)、群舞「鈴の舞」(舞踊部)、合奏「村は豊年」(現代器楽・民族器楽)などの演目も、低学年の舞踊「ウリハッキョが一番」、全校生によるフィナーレの「未来にはばたこう」に至るまで、通学、授業、部活、遠足など、学芸会のテーマ通り、「笑いと愛、希望一杯」の学校生活を織り込み、演じられていた。

演目が始まると、デジカメやビデオ、スマホのモニターが一斉に光を放すので、どこに何年生の学父母、学祖父母が座っているのか想像できる。モニターをのぞくと、自分の子を中央に、「主人公」にして撮っていた。そうした中でもオモニ会の姜会長だけは、大きなレンズがついたカメラを娘だけではなく、すべての演目に向けていた。


毎年のことだが、一番拍手がわくのは、1年生と6年生の演目、そして、全校生によるフィナーレだ。

プログラムにはフィナーレについては、「楽しい学校生活が終わります。今日も友達と楽しく過ごし、先生たちと一生懸命に勉強に励んだ児童たち。笑いと誇りと希望にあふれた、未来へと向けて大きな声でうたいます」と、書かれていた。
児童たちの「笑い」と、「大きな歌声」を会場のみんなと一緒に共有することができた、とても心和むひと時だった。
開演中、席をあちこちに移しながら見ていた金校長は、「演目によっては、後ろの席は聞きずらかったのでは…」と少し残念がっていた。「児童たちの発音が言うより、マイクで声を拾いきれなかったようだ」とも。

6年生の児童と一緒に写真に収まったアボジたちは舞台の上で、卒業式の謝恩会で披露する合唱の打ち合わせしていた。3回ぐらい学校に集まり、練習することになった。「本番」が待ち遠しい。

学芸会が終わったというのに、ロビーは人いきれがするほどの混雑だ。
「オンニ~ひさしぶり」、「○○、もう卒業なの…」あちこちでこんな声が飛び交っていた。子どもたちはウリマル100%で、オモニたちは固有名詞といくつかの単語だけはウリマルという、いつもの「風景」だ。

展示された児童の絵画に、スマホを向ける保護者も少なくなかった。ハラボジたちは目に焼き付けるだけだ。「アボジ、後で写真を送るから…」。娘のそんな言葉を笑顔で受け止めていた。ik

3月刊行の『朝鮮学校のある風景』18号に、加筆して掲載します。
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