なんとなく学校へ・上-実習生が教壇に
さわやかな秋空に誘われて、なんとなくいつもの東京チェーサムへ。
いつものように1階と2階の間の手洗い場の窓から運動場をのぞくと、
成先生が1年生の男子児童に縄跳びの「特訓中」だ。成先生は3年生の担任だが、体育の先生でもある。
運動会用の青い帽子をかぶった児童が幾度もトライするが、足に引っ掛かってしまう、少し離れたところで、赤い帽子の児童が「自主連」、飛ぼうとはするのだが、タイミングが合わない。
運動場に座り込んだ他の児童は、縄跳びをくるくると自分の腕に巻いたり、地べたに何かを書いたりしながら、それを見ていた。

2階と3階の間の水飲み場には、今週のウリマル習得単語の「-잖아 –ㅆ잖아」と書いたポスターが貼られていた。

3階の踊り場には、「中等教育実施65周年」のポスターが貼られていた。
一週間前に来た時、6年生の教室で制作中だった、そのポスターだ。
その時は、発泡スチロールで切り抜いた文字だけだったが、
その後、セットンの模様と共和国の旗の背景が描かれたようだ。

4年生の教室は誰もいない。時間表を見ると図工の時間だ。
隣の5年生の教室から笑い声が漏れてきた。
「これにふまえて…」という声が聞こえた。
「ふまえて」? 小学校では聞きなれない言葉だ。
黒板には「九 詩を読む 冬の夜道 津村信夫」。
教壇に立っているのは、担任の金先生ではない。
黒のチマチョゴリ姿の朝鮮大学校からの実習生のカン先生だ。
窓越しに長身の金校長の顔が見える。
金先生は一番後ろで、感想でも書いているのだろう、手が動き続けいていた。
授業が終わると、実習生担当の黄先生も出てきた。廊下側の壁際に座っていてみえなかったのであろう。

授業は終わると、カン先生に女子児童が抱きついて行く、それも何人もがだ。
ここの児童は、教育実習生に慣れているのかもしれない。今年は一人だが、昨年は三人だった。(隔月版ブックレット『朝鮮学校のある風景』④号参照)
カン先生は、嬉しそうに児童を抱きかかえようとするのだが、小柄なので先生と児童の区別がつかない。

昼食の時間だ。当番が給食室からお茶と注文弁当を運んで行く。

5年生の教室では、唐揚げ弁当を食べながら夫先生が「浮気は、朝鮮語で『바람피우다』です」と。児童は食事をしながらも、はやし立てている。夫先生が児童に何か問い詰められているようではないのだが…。
その教室の後ろでは、舞踊の講師の金先生がメモを見ながら、女子児童に何やら話しかけている。
午後に予定されている「競演大会」のリハーサルの打ち合わせであろう。

6年の教室では、黄先生が食事風景を撮っていた。
向かい合わせに並べた4つの机に座った児童と、その中心に座ったカン先生をだ。
カン先生は一週間前に来た時ときと、違った場所に座っていた。
クラス全員と食事が出来るように、順番に回っているようだ。
カン先生の前には黒いランチジャー、卵焼きが美味しそうな色をしていた。
学校の注文弁当ではない。この日は唐揚げのはずだからだ。
右隣に座った女子児童が、タッパーの蓋に何かを載せてカン先生に勧めていた。
男子児童の間では、フリカケの大きな瓶が回っていた。

1階の廊下と「多目的ホール」には、バザーの商品が積まれていた。
「今年は品物の集まり具合が今一歩」、「被災地に行ったのでは…」
バザーを予定している、どこの学校に行っても聞かれた声だ。
チェーサムも、例年のように整理がつかないほどの山積み状態ではないようだ。

「新品ダウンジャケット」はお買い得だ。今年はプチライブも。

10月30日、チェーサムのバザーは3週間を切った。ケーキは毎年、早いもん勝ちだ。

この項、つづく。