バックから応援グッツがはみ出ている。すでに気合が入っているようだ。
球場に向かう途中、焼きそばに枝豆、ウインナーとフライドポテトセット、それにゲン担ぎの「勝つサンド」を買う。チェー店のカレー屋さんやコンビニ店までが店頭にそれらを並べ、客引きをしているのには、少し驚く。
大きな応援旗がなびいている。試合も始まっていないのに、すでに立ち上がっている。

この日は、すべて同居人任せである。席を取り、ビールの売り子を探す。
「生二つ」。今日は発泡酒ではない、瓶でも缶でもない、泡立ちのまろやかな生ビールだ!!!!
急ぎ、腹ごしらえである。試合が始まったら、焼きそばなどハシでつついてられない。フライドポテトをほうばって、「応援歌」など歌えないからだ。
阪神選手の打撃練習が始まる。勢いよくボールが飛び込んでくる。前回か、前々回、そのファールボールを足に当てたことがある同居人は、枝豆を口に入れながらも、ボールの行方を追っている。
サラリーマンなのであろう。ワイシャツにネクタイ、背広ではなくタイガースのユニホームをはおっている。
金色やトラ柄の派手なパンツ姿のお姉ちゃんもいる。オールタイガースファンの姿も。夏休み最後のカードとあってか、親子連れがやちらと眼につく。タイガースのユニホームを着た「子寅」、こうして「阪神」の遺伝子は受け継がれていくのであろう。

「負けられない試合が続いています」と、応援団員。どこかで聞いた言葉だ。ワールドカップのときよく聞いたフレーズである。
打席に立つ選手に合わせ、応援団員の若者が次々とパネルを掲げる。
「絶対勝つぞタイガース」、「ゴーゴーレッゴー」、「かっとばせーかっとばせー」、「続けー続けー」、
それに「ここまでもってこい」に、「名前三唱」、「がんばれ! がんばれ! 」である。
金本のときはもちろん「ホームラン ホームラン」である。
打席に立つと、あちらこちらから「アニキ」の声。小学生も「アニキ」、金髪、アイシャドーの姉ちゃんも、後期高齢者も「アニキ」だ。
地域の商工会の会長のアボジ(父親)の仲人が、金本のアボジだと聞いたことを思い出す。
(PR*一粒出版刊「続・私たちの東京朝鮮第三初級学校物語」参照)
